学級経営のツボ⑧ ~意外と深い「席替え」~

学級経営
うさ美
うさ美

くああ!授業中にうるさい児童がいて、もう頭に来ます!次の席替えで絶対に前にしてやります!

はんめん
はんめん

まあまあ、気持ちはわかりますが…やっちゃダメですよ?

うさ美
うさ美

…え、でも…ホントにうるさいしどうにかしたいのですが…

はんめん
はんめん

より正確に言えば「クラス全員にそれとわかるように前にしてはいけない」ということです。

うさ美
うさ美

???ちょっとよくわかりません…?

はんめん
はんめん

はい、ということで今回は、意外と深い席替えの話です。

席替えで前にしてもいい?…懲罰目的は×

席替えでよくありがちなのが「うるさい子を前にする」というもの。罰を与える目的で席を前にすること自体には効果があります。教員の目が行き届きやすくなりますし、その子も注意するようになりますから、考え方としてはごく自然なものでしょう。ですが、とても大きな落とし穴があります。それはクラスの子どもたちに「先生は思い通りにならない子を権力を使って言うことを聞かせようとする」という認識を持たせてしまうことです。一度この認識が広がってしまうと、後から払拭することは困難です。

この認識が広まると、子どもたちは無力感にとらわれ、意欲的な挑戦をしなくなるかもしれません。悪いことをしている子に罰を与えることは教員側の感覚としては普通なのかもしれませんが、子ども側から見ればそうは感じないでしょう。理不尽に権力を振るわれた、という感覚が残ることは否定できません。

学級の中で指導が通りにくい子は往々にしているものですが、権力を用いて解決しようとすることは席替えに限らず、やめておいた方が無難です。

席替えの方法いろいろ

僕の経験した、あるいは見聞きした方法をいくつか紹介します。どの方法も一長一短ですが、完全に運任せになる方法は避けた方が良いです。席替えによって学級が崩れた経験もあるため、教員の意図を混ぜつつ、公平感も演出しつつ席替えを行う必要があると思っています。

①くじ引き

くじを作って開票していく方法。最もシンプルで公平な方法ではあるものの、教員の意図を介入させにくい欠点があります。これは上述の「気になる子を前にする」だけではなく、配慮を必要とする子(目が悪い、好ましくない人間関係など)への対応にも少々難があります。目が悪い子への配慮は簡単なのですが、「○○さんと△△さんを近くにしない」といった対応はほぼ不可能です。

長所

・公平である

・目の悪い子への配慮は可能

短所

・教員の意図を入れにくい

・人間関係の調整が難しい

②子どもたちに決めさせる

男子が外に出ている間に女子が決め、女子が外に出ている間に男子が決め、最後に合わせる…といった方法をとったことがあります。子どもたちが自分で決めるので、満足度は高いように思います。ですが、教員の意図は全く介入させることができないので、学級はとても騒がしくなります。また、人間関係がうまくいっていない子が浮き彫りになる可能性もあり、あまりおススメできない方法です。

長所

・子どもたちの満足度は高い

・主体性を伸ばすことができる

短所

・教員の意図は全く入らない

・人間関係の調整が難しい

③班長が決める

子どもたちの中から班長を募り、その子たちが公平になるように決める方法です。班長が学級のことを考えられるのであれば、かなり公平に席を決めることができます。教員が班長を呼び、話しながら決めることで、教員の意図を入れることができます。このあたりは子どもたちの発達にもよりますが、学級内の人間関係は教員よりも子どもたちの方が理解している場合が多いので、教員が決めるよりも立場の弱い子に配慮した席になることさえあります。ただし、何度も繰り返すとメンバーが固定化され、グループの力が強くなります。一般的に個々のグループの力が強い学級は、安定しません。

長所

・班長を通して教員の意図を入れることができる

・班長しだいだが、うまくいけば公平に席替えを行うことができる

短所

・何度も班長になる子が出ると、メンバーの固定化が起こり、グループの力が強くなる

④教員が決める

人間関係などを考慮し、教員が決める方法です。教員が決めるために公平になりやすいですが「なぜこの席なのか」という不満がたまりやすくなります。また、人間関係への配慮は当然行うことができますが、子どもたちに看破されることが多く、その結果として配慮が裏目に出ることもあります。年間を通した学級経営を考えると、非常にリスキーな方法を言わざるを得ません。

長所

・公平な席替えを行うことができる

短所

・子どもたちの不満がたまりやすい

・配慮が裏目に出て、人間関係を悪化させる可能性がある

⑤あみだくじ

試行錯誤の結果、僕が採用している方法です。教員の意図を入れながらも、公平感を演出することができます。さらには子どもたち自身が自分で決めているように感じさせることができます。ルールの浸透と準備が面倒ではありますが、教員も子どもたちも満足度が高い方法であると思います。

長所

・教員の意図を入れられる

・公平感を演出することができる

・子どもたちが自分で決めていると感じさせられる

短所

・ルールを浸透させたり準備したりする手間がかかる

あみだくじでは、公平感の演出が肝!

「公平あみだくじ」その方法

僕の採用するあみだくじでの席替えの方法を紹介します。

あらかじめ、それぞれの席の番号を決めてそれを公表しておきます。左から1、2…というように、順番になっていた方がわかりやすいでしょう。

まず、クラスの人数分(僕は男女で分けて行うので、男女それぞれの人数分)の線を引きます。紙はどんなものでも良いです。

次に、それぞれの線の下に数字を書きます。

これは順番でなくてもかまいません。むしろ順番でない方が良いと思います。理由は後述します。

そして、番号を隠します。僕は紙を端から何回か折り返してセロテープでとめ、番号が透けて見えないようにしています。その状態の紙を回していきます。

ここから子どもたちが自分の名前を書いていきます。ルールは一つだけです。「横線を三本まで引いてよい」というものです。引かなくても良いし、3本までであれば引いても良いです。すべての子が名前を記入し終わるころには、全員の意志によって作られたあみだくじが完成しているはずです。

「全員の意志によって」という点が重要で、このあみだくじは運命を自分で変えることができるのです。少なくとも、参加者にそう思わせることができます。いくら新しい席に不満があろうとも「線を別のところにひいていれば、違った結果になった」と思わせることができるのです。

これだけも十分ですが、公平感を演出するために、僕はあみだくじを公表しています。後から教員が数字を書き込んでいると思われないよう、数字をボールペンで書いて遠くから確認もさせています。子どもたちに対して「公平に席替えが行われた」と感じさせることが、不満を出さないコツです。

配慮の方法

目の悪い子を前にする必要があるときには、あみだくじを回す前に最前列のどこかを選ばせます。

先ほどのあみだくじを例にすると、目の悪い子が「れい」、彼の選んだ最前列の席の番号が「2」だとしましょう。

本来であれば「れい」は3の席になります。けれども今回は2の席であることが事前に確定していますので、あみだくじの結果2の席になった「ちはる」と交代します。

あみだくじ本来の結果では「れい」が3、「ちはる」が2でしたが、事前の取り決めによって「れい」が2、「ちはる」が3となるのです。このように目の悪い子への配慮も行うことができます。

人間関係の調整も可能

年度当初、保護者によっては「○○さんと席を離してほしい」と依頼をされることがあります。また、学級での様子を見ていて「○○さんと△△さんは近くにいない方がいい」と教員自身が感じることもあるでしょう。そんなとき「公平あみだくじ」なら公平感を演出しつつ、調整することが可能です。

新しい席を見渡してみて、違和感があれば修正しておきましょう。今後起きるであろう問題を回避することができます。

まとめ

はんめん
はんめん

席替えで学級の雰囲気が決まる!

まとめ

・懲罰目的での席替えは禍根を残す

・いろいろな方法を試してみよう

・おススメはあみだくじ

いかがでしたか?意外と深い席替え。そのあとの学級の雰囲気を大きく左右します。また、人間関係のトラブルを未然に防ぐこともできます。ただし、子どもたちの期待が大きいだけに不満もまたたまりやすいものでもあります。公平感を演出しつつ、教員の意図を滑り込ませていきたいものです。

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