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QUにおける「満足群」が上がった学級経営 ~40%から86%へ~

はんめん

僕の勤務する自治体では、6月と11月に学級環境アセスメント調査(QU)を行っています。今年度、6月には40%だった満足群が11月には86%へと上昇しました。備忘録も兼ねて、僕の今年度の学級経営について記しておきます。

目次

QUとは?

Q-Uは学級集団をアセスメントし、より適切な支援をするための補助ツールです。

学級満足度尺度、学校生活意欲尺度、ソーシャルスキル尺度(hyper-QUのみ)より構成されます。

http://www.waseda.jp/sem-kawamura/about/outline/

QUは河村茂雄先生が開発し、学級における子どもたちの心理的な動きを可視化するために用いられるツールです。

僕の勤務する自治体では、6月と11月にそれぞれ子どもたちにアンケートを取り、その変化を測定して学級経営に生かしています。

QUでは「子どもが不適応感を覚えたり、いじめや冷やかし等を受けたりしていないか(ルールの確立)」と、「子ども達の存在や行動が教師や友人等から認められているか(リレーションの確立)」という2つの尺度から、子どもたちの心を測ります。

このQU、「測定するときの子どもたちの心理状態による影響が大きい」と言われ、あまり重要視しない教員もいるのですが、学級経営を客観的に数値化できるという点で、意義のあるものだと考えています。

というのも、僕の場合はここ数年、「満足群」にいる子どもたちの割合が大きくなってきているからです。

これは僕の実感とも一致します。

とはいえ、教員の実感など、アテにならないものです。

だからこそ、子どもたちのアンケートを数値化することで学級経営に生かしていくことが重要です。

河村先生も次のように述べています。

自分の教育実践を勘や経験則のみに頼っている教師は、問題が生じた場合、自分や児童生徒を必要以上に責めてしまう。とくに、自分は力の無い教師なのではないかと、自分を否定的に考えてしまう
 調査法の活用は、教師に自分の教育実践を分析的に見るという態度を形成する。したがって、問題が生じた場合でも、修正すべきポイントに対応すればよいと考え、自分を否定するような極端な思考には陥らない。問題を客観的にとらえて、建設的に対応できるのである。つまり、教師が自分の心の健康を保つ方法としても、調査法の活用は有効なのである。

http://www.waseda.jp/sem-kawamura/about/outline/

教員の世界は職人のような一面があり、それぞれの教員ごとに子どもたちへのアプローチ方法が違います。

A先生が武器としているかかわり方は、B先生にとっては逆効果であることもしばしばあって、自分に合ったアプローチ方法を身につけていく必要があるのです。

QUは、そうした教育実践を客観的に分析することができます。

今の自分のアプローチ方法が有効なのかどうなのか、勘に頼るのではなく、数値として表すことができるのです。

2020年度版 学級経営の手法

僕にとっての教育の目標は、「子どもの自立」です。

これは教育基本法でも述べられていることですから、義務教育に携わる全ての教員が意識する必要があるものでしょう。

教育基本法 第5条 2

義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。

では、どのように考えたら子どもたちが自立へと向かうのでしょうか?

僕は「主体性」と「協調性」が必要だと考えています。

主体性

子どもたちが自ら行いたいと思うことが大前提です。

子どもたちが主体的に活動できるようにするために、いくつかのポイントを紹介します。

ティーチングからコーチングへ

教員が「教える」だけではなく、対話して子どもたち自身に「気づかせる」ことを大切にします。

自己調整学習の導入

子どもたちが目標を決め、自分で学習方法を決めるのが「自己調整学習」です。従来の宿題とは一線を画す、画期的な学習方法です。

子どもたちの活動を増やす

教員の仕事を減らしつつ、子どもたちの主体的な活動を増やす。まさにwinwinの関係です。

協調性

最近まで「自立=自分の力で生きていくこと」だと思っていましたが、考え直しました。

はんめん

自立とはおそらく「他者と協調して自分の人生を生きること」です。

現代社会では、他者とのつながりなしに生きていくことは不可能です。

そのため、自立には協調性が必要だと考えています。

ここでもいくつかのポイントを紹介します。

学級は専制ではなく民主制で経営する

一昔前、学級王国という言葉が流行りました。

今もその風潮は残ります。

しかし、学級経営は民主制であるべきだと考えています。

子どもたち同士のつながりを意図的に生み出す

子どもたち同士が人間関係を調整していくためには、教員のサポートと同じかそれ以上に、教員の我慢が必要です。

生徒指導で”柵”を作る

やってはいけないことはきちんと伝える。

”柵”があってこその放牧です。

教員との関係作り

良好な関係を保つために、教員には演技も必要です。

学級経営の土台

ここまで述べてきた「手立て」を支えるための土台がいくつかあります。

アドラー心理学

特に「課題の分離」は有効です。

時間的・精神的余裕が重要

余裕があるからこそ、高いパフォーマンスを発揮することができます。

まとめ

はんめん

全てやればうまくいく…わけではありません。重要なことはコンセプトです。

いかがでしたか?

これらの手立ては、僕の学級経営にはどれも欠かすことのできないことがらです。

ただし、これらうわべの手立てのみをまねしても、あなたの学級が良くなるとは思えません。

重要なことはあなたの学級経営のコンセプトです。

そしてそのコンセプトに沿った手立てを、あなた自身が打っているかどうかです。

それを考えるための一助になれば幸いです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、良い教員ライフを!

「魅力的な教員」になるためには?

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この記事を書いた人

子どもたちの成長を間近で見ることができる、教員の仕事ってとっても魅力的!でも労働環境が良くないのもまた事実。解決方法を模索しながら奔走する毎日を過ごしています。公立小中学校で勤務して11年目です。
教育大学卒。専門は社会科(政治学)。ネコ派。二児の父。

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