話し合いの授業を活発にしたいです!どうやればいいんですか?
今回はこんな疑問にお答えします!
・話し合いの授業がうまくいかない人
・子どもたちが活発に話し合う授業をしたい人
授業を行うにあたって、話し合いの場面を設定することがあると思います。
「主体的・対話的で深い学び」を行う上でも大切になってくる授業の手法のひとつである話し合い。
実際にやってみた方であればわかると思いますが、子どもたちを話し合わせることは想像以上に困難です。
教員が「さあ、話し合ってみて」といったところで、子どもたちは全然活動しません。
それどころか雑談になってしまうことも珍しくありません。
では、どのような方法をとれば、活発な話し合いになるのでしょうか。
先に結論を述べておきます。
・子どもたち同士が話し合える土壌をつくる
・子どもたちが話し合う必要のある議題を用意する
・議題や子どもたちの実態に合った話し合いの形式をとる
「話し合いの授業がうまくいかない」「子どもたちが活発に話し合う授業をしたい」と思っている人は、ぜひ参考にしてみてください!
手だて1:話し合う土壌を作っておく
良い授業を行うためには、良い学級経営が必要です。
特に話し合いを成立させるためには、子どもたち同士の関係性には要注意です。
そもそも、自分の意見を他人に話すことは抵抗があるものです。
私たちもそうなのですから、狭い人間関係にとらわれがちな学校での子どもたちなどなおさらです。
ですから話し合いを成立させるためには、子どもたちの間に安心感が広がっている必要があります。
安心感?
例えば、次のような安心感です。
- 発言を仲間たちにきちんと聞いてもらえる
- 発言を冷やかされない
- 発言したこと自体を否定されない
このような安心感なくして、子どもたちは話し合いをしようとは思いません。
話すたびに子どもたちが傷つくことのないような学級経営を行えていますか?
まずはそこがスタートです。
手だて2:話し合う必要性を高める
学級経営上の問題がなく、子どもたちが話し合うための土壌ができているのなら、いよいよ授業の内容について考えましょう。
話し合いをさせたいと教員が願っていることはよくありますが、そもそも子どもたちは話し合いたいと願っているのでしょうか?
えっ…どうなんでしょうか?
子どもたちが話し合う必要性を感じていなければ、話し合わないのは当然ですよね。
冷静に考えれば当たり前のことですが、良い授業にしようと思うあまり、子どもたちの思いを考えていない教員が多いことも事実です。
話し合うことは手段ですが、いつの間にか目的化してしまうこともよくあります。
子どもたちが話し合う必要性を感じるためには、次のような手立てが効果的です。
- 一人では解決できないような課題を突き付ける
- 多様な考え方が可能な課題に取り組ませる
- 子どもたちの生活に密接に関わる課題を提示する
順にみていきましょう。
一人では解決できないような課題を突き付ける
話し合う必要性を感じるとき、それは他人の考えを知りたくなるときです。
「どうやって考えたらいいのか?」「自分の力だけでは解決できないかもしれない」と考えたとき、子どもたちは仲間と話し合う必要性を感じます。
例えばこのような課題が考えられます。
- 算数・数学で公式を導き出す
- 理科で実験結果の理由を説明する
- 社会で社会問題について考える
自分だけではできない、あるいは自信がないことも、仲間と話し合うことでできるようになったり、自信を強めたりすることができます。
そのための手段として話し合いを活用すれば、子どもたちは活発に話しあうようになるでしょう。
多様な考え方が可能な課題に取り組ませる
話し合う必要性を感じるとき、それは他人の考えを知りたくなるときです。
「僕はこうやって考えたけど、他の人たちはどう思っているのだろう」と考えたとき、子どもたちは仲間と話し合う必要性を感じます。
例えばこのような課題が考えられます。
- 国語の物語文で「対人物」はだれか考える
- 道徳で「自分だったら」どうするか考える
- 社会で選挙に行くかどうか考える
多角的なものの見方を求められたとき、子どもたちは仲間と話し合い、その見方を深めていきます。
そのための手段として話し合いを活用すれば、子どもたちは活発に話しあうようになるでしょう。
子どもたちの生活に密接に関わる課題を提示する
話し合う必要性を感じるとき、それは他人の考えを知りたくなるときです。
「自分たちの生活にかかわる問題だ」と考えたとき、子どもたちは仲間と話し合う必要性を感じます。
例えばこのような課題が考えられます。
- 学活で「変えたい校則」について考える
- 学活でクラスの問題点を改善する
- 社会で環境問題について考える
自分たちの生活に深くかかわる問題について考えるとき、子どもたちは仲間と話し合い、意見を調整していきます。
そのための手段として話し合いを活用すれば、子どもたちは活発に話しあうようになるでしょう。
手だて3:話し合う形を工夫する
どのようなかたちで話し合いを進めるか、ということも重要です。
僕が授業の中で実際に行っている話し合いのかたちをいくつか紹介します。
ペアトーク
ペアトーク(隣、前後、あるいは意図的なペア)の最大のメリットは、短い時間で意見交換を行うことができることです。
僕はよく「10秒で話して」と子どもたちに話します。
話題についてさっと意見を交換することで、考えを深めることができます。
しかし話題が尽きやすかったり、相性の悪い子がペアになることの無いよう、配慮する必要があったりします。
全体での話し合いの前に、つなぎとして入れるとうまく機能します。
グループトーク
グループトークでは、3~4人の小さなグループで話し合い活動を行います。
グループを構成するメンバーにもよりますが、ペアよりも考えが深まる傾向にあります。
しかしその分、教員の事前準備やまとまった時間が必要になります。
ただ漠然と「グループで話し合って」と言っただけでは、雑談になってしまうことが多い印象です。
教員がどのような話し合いにするか目的をもち、それを子どもたちと共有できていれば、有効に機能することでしょう。
フリートーク
フリートークでは、子どもたちは席を立って自由に意見交換をします。
僕は「意見を聞いてみたい人のところへ行って話してみよう」といつも投げかけています。
時間は長くても1分、それ以上の時間をかけると雑談になってしまいます。
フリートークの最大のメリットは「子どもたちを椅子から解放できること」です。
ずっと座ってばかりでは、集中力も途切れてしまいます。
かっちりしたクラス全体での話し合い活動の前にフリートークを挟むと、とても話しやすい雰囲気をつくることができます。
結論:話し合いの土壌をもとに、話し合う必要のある議題を用意する
それでは今回の結論です!
・子どもたち同士が話し合える土壌をつくる
・子どもたちが話し合う必要のある議題を用意する
・議題や子どもたちの実態に合った話し合いの形式をとる
「主体的・対話的で深い学び」の要素でもある「対話的な学び」のために、授業に話し合い活動を取り入れる方も多くいると思います。
ただそれが、話し合うための時間になってしまっていては、対話的な学びが展開することはないでしょう。
あくまでも話し合うことは手段であり、その先に目的が必要です。
手段が目的化することのないよう、いつも意識したいものですね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、良い教員ライフを!
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