学級経営がうまい先生って、何をしているのでしょうか?
今回はこんな疑問にお答えします。
・学級経営を上達させたい人
・子どもたちとよりよい関係を築きたい人
・自分の学級経営に自信がもてない人
どの学校にも学級経営がうまい先生は存在します。
子どもの心をつかむのがうまかったり、保護者からの信頼が厚かったりしますが、それらはあくまでも結果であって、学級経営がうまくいく要因はあまりよくわからないことがほとんどです。
そこから、学級経営は「職人芸・名人芸」とされがちです。
早い話、「あの先生だから学級経営がうまくいく」と思われてしまいがちだということです。
僕自身、学級経営をとても苦手にしていました。
何をやってもうまくいかず、子どもたちとの距離を感じる日々。
自分なりに少しずつ工夫を重ね、今ではQ Uによる学級満足度は80%を超えるまでになりました。
僕の学級経営がうまいかどうかはわかりません。
けれども、うまくいかなかったからこそ試してきたこと、先輩教員から教えてもらったことがたくさんあります。
経験の中で得た様々なコツの中から、この記事では特に「空白の時間を作らない」ことについて解説したいと思います。
先に結論を書いておきます。
・「空白の時間」を作らない
・何をすべきかわからない子にはフローチャート
・課題を終えている子にはエンドコンテンツ
「学級経営をうまくしたい」「落ち着いた学級を作りたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください!
そもそも「学級経営がうまい」とは?
何をもって「学級経営がうまい」と言うのでしょうか?
様々な考え方があるでしょうが、僕は次のような学級をコンスタントに作れることだと思います。
子どもたちがお互いに尊重しあっている
この状態になると、副次的に次のような姿が見られるようになります。
・にぎやかさと静けさが両立するようになる
・教室に落ちているゴミがすぐ拾われる
・係活動が熱心になる
・子どもたちが時間を守るようになる
なぜこうなるか、はっきりとはわかりません。
けれどもお互いのことを尊重しているからこそ、時間を大切にしたり、教室をきれいに保とうと思ったり、係として役に立ってみたいと考えたりするのではないかな、と思っています。
ですから「学級経営がうまい」先生とは、子どもたちがお互いに尊重し合うような仕組みをつくることができる先生である、といえるのではないかと思います。
「空白の時間」は学級を不安定にさせる
ここで言う「空白の時間」とは「子どもたちが何をしていいかわからない時間」を指します。
「空白の時間」の例
- 授業が早く終わったとき
- 課題をすでに終えているとき
- 給食を食べ終わったあと
- 次週の時間
こういった、いわゆるスキマ時間です。
「空白の時間」が怖いのは、学級崩壊へとつながる時間になりかねないからです。
何をして良いかわからない子どもたちが、おしゃべりを始める。本を読み始める。席を立つ。
たったこれだけのことで、学級はとても不安定な状態になります。
また、教員もその指導に追われることになります。
ですから「空白の時間」とはとても怖いものなのです。
良くあるのは「自分で考えて過ごしましょう」というものですが、これは悪手です。
なぜなら「何をしていいかわからない子どもたち」には、大きく2種類の人間が含まれるからです。
次にすべきことがわからない子どもには「フローチャート」を!
まず、課題や問題集など「やるべきことはあるにもかかわらず、何すべきかわからない子ども」の場合です。
この場合「自分で考えて」と言っても、何をやればいいのかそもそもわかっていないのですから、その指示は全く意味を成しません。
こういった子には、フローチャートを用いて次にすべきことを明確に示すことが「空白の時間」への対策として有効です。
フローチャートって言われても、難しそうです…
そんなに大したものではありませんよ!例えばこんな感じで十分です。
フローチャートの例
- 小テストをやる
- 問題集のp23をやって答え合わせ
- タイピングソフト
- 調べ学習
このように、次にやるべきことがはっきりと目に見える形で示されることが大切です。
「何をすべきかわからない子ども」は多くの場合、たくさんの指示を記憶することができません。
けれども、書いてあれば自分で確認しながら進めていくことができます。
また、教員も何度も説明しなくても良くなります。
win-winですね!
子どもたちへの支援が、そのまま教員の時間を生み出している例です。
課題を終えている子には魅力的な「エンドコンテンツ」を!
次にすべての課題を終えてしまい、「何をしていいかわからない子どもたち」の場合です。
こういった子たちは、多くの場合とても優秀な子どもたちです。
授業も良く聞き、宿題にもまじめに取り組み、先を見て行動することができる。
そんな傾向があります。
このような優秀な子たちには、課題を出しても次々とこなしてしまいます。
ですから、教員は常に課題を用意しておかなくてはならなくなってしまいます。また、子どもたちもいわゆる指示待ちの状態になってしまいます。
そこで、子どもたちが主体的に取り組めるエンドコンテンツを用意します。
エンドコンテンツとはゲームにおいて「やり込み要素」ともいえるもので、ゲームをクリアした後に用意されている要素になります。
自分のペースで進めることができ、しかも終わりがないものです。
先程のフローチャートの例では「4 調べ学習」がエンドコンテンツにあたります。
教員の用意した課題をすべてクリアした子は、どんどんとエンドコンテンツに取り組んでいく…そんなイメージです。
ポイントとして、エンドコンテンツは楽しく取り組めるものにしましょう。
そうでなくては、子どもたちは課題を進めようとは思いませんからね。
国語辞典を読む、というエンドコンテンツが用意されていたとして、やる気が出るでしょうか?
少なくとも僕は出ませんね。
子どもたちが「いいなぁ、僕もやりたい」と思えるような、魅力的なエンドコンテンツを考えてみましょう。
結論:「空白の時間」を「フローチャート」と「エンドコンテンツ」でつぶす
それでは今回の結論です!
・「空白の時間」を作らない
・何をすべきかわからない子にはフローチャート
・課題を終えている子にはエンドコンテンツ
学級経営の観点から「空白の時間」をどうするかについて書いてきました。
一度フローチャートを作ってしまえば、子どもたちもやり方がわかるようになります。
次に取り組むことがわかるということは、よそごとをしにくくなる、ということです。
たったそれだけで、学級はグンと安定するようになりますよ。
ぜひお試しあれ。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、良い教員ライフを!
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