子どもたちの主体性を高めるために、今年度はいくつかの手立てを用いています。まずは「ティーチング」から「コーチング」へと指導方法を変化させました。
教師=ティーチャー=教える人?
僕の職業は教員です。英語ではteacher。「教える人」という意味です。当たり前ですが、教えることが仕事です。
私たち教員はしばしば、子どもたちに「ここまで来いよ」という指導をします。いわゆる「ティーチング」です。
ティーチングは、基礎知識や技術を学ぶ時には効果的です。しかし、先生(上司)が持っている知識やスキルやノウハウを教えるだけでは、自分以上の人を育てることは困難です。
https://kurisu-sora.com/coaching/coaching-teaching/
また、ティーチングは一方的なコミュニケーションになりがちで、評価される場面が多くなります。その結果、クライアントは次第に受け身(指示待ち)になり、模範解答を欲しがる(依存する)ようになります。
例えば、AさんとBさんの間でケンカが起きたとします。AさんがBさんに悪口を言い、BさんがAさんを叩いたとしましょう。
ティーチングを用いると、次のようになります。
いかがでしょう。一見すると、問題がなさそうに思える指導ですね。ところが、とても大きな問題点が2つあります。それは「教員が模範解答を与えていること」と、「子どもたちが思考停止していること」です。ティーチングはティーチングで良いところもあるのです(例えば低学年への指導など)が、多用すると子どもたちの主体性を奪ってしまいかねません。
コーチングは主体性を高める
今年度から僕が特に意識したことが、子どもたちとの関わりの中に「コーチング」の考え方を取り入れることです。
コーチングは「何かに挑戦したい」「結果を出したい」という気持ちを持つ人に効果的です。コーチとの双方向のコミュニケーションによりクライアントは自分が縛られていた価値観に気づき、広い視点で物事を捉えられるようになります。その結果、自分の潜在能力や可能性を信じて自らチャレンジする人に成長します。
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例えば、先ほどのケンカを再び例としましょう。AさんがBさんに悪口を言い、BさんがAさんを叩いたとしましょう。
コーチングを用いると、次のようになります。
いかがでしょうか。子どもたちが悪いことを認め、お互いに謝罪する、という表面上の結果のみを見た場合、先ほどのティーチングと大差はありません。それどころか、より多くの手間と時間がかかります。けれども、ティーチングとは「教員が子どもたちに思考を促し」、「子どもたちは自ら行動を選んでいる」ことが大きく異なります。少なくとも、子どもたちの納得の度合いは高いと思われます。
このような「コーチング」の考えに基づいて、さまざまな場面で対話を行い、行動を子どもたち自身に選択させました。例えば…
あらゆる場面で、「コーチング」による対話は効果があったと思います。初めのうちは戸惑っていた子どもたちも、徐々に「じゃあ○○してみようかな」「△△はしてもいいですよね」など、主体的な思考や行動が目立つようになっていきました。主体性を高めたいと思ったら、やはり子どもたち自身に選択権を渡さねばなりません。その意味で、コーチングには大きな可能性があると感じています。
まとめ
大切なことは、子ども自身がどう感じ、どう考えるか、ということです。
いかがでしたか?コーチングは子どもたちの主体性を高めます。したがって、自分自身の行動を自分自身で選んだととらえるようになるでしょう。このことがQUの満足群の割合を高める一つの要因になったのではないかな…と思っています。根気は必要ですが、きっと子どもたちが自ら動き出すクラスを作っていくことができますよ。
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