運動会シーズンがやってきてしまいました…。
どうしたんですか、そんなに落ち込んで。運動会は楽しいじゃないですか。
う~ん…運動会に限らず行事って、楽しいだけでいいんでしょうか?
確かに、ただ単に楽しいだけではなくて、行事を通して成長させたいところですよね。
そう!そうなんですよ。でも、うまくいかないことが多くって…困っています。
なるほど、そうでしたか…では今回は「行事を利用して子どもたちを育てる」ための方法についてお伝えしましょう!
子どもたちが主体的に取り組むために
すべての行事に共通して言えることですが、子どもたちが主体的に取り組むように仕組んでいきたいものです。例えば運動会。運動の得意な子どもにとっては、主体的に取り組む価値の強い行事でしょう。けれども、運動の苦手な子どもにとっては、おそらく苦痛であるはずです。子どもたちの特性を踏まえて、行事にどのような意味づけを施していくか。まずはそこを考えましょう。
例えば運動の苦手な子は、運動会でうまく走れないことに恐怖を感じているのかもしれません。苦手な運動を短い間に克服することは難しいので、物事のとらえ方を変えていく必要があるでしょう。「運動会前のタイムと比べて、速くなっていたらそれは成長だよ」などと声をかけることも一例です。
子どもたちが主体的に取り組むためには、子どもたち自身がそれ相応の価値を見出す必要があります。「やってみたい」「やったほうがいい」と思わせるためには目標が必要です。
結果のみに重点を置かない
行事での目標設定でありがちなのが、「リレーで優勝すること」「コンテストで最優秀賞をとること」など、結果に重点を置くことです。それ自体は悪いことではないのですが、上述の通り学級には様々な子どもがいます。その行事の内容が得意な子もいれば、そうでない子もいます。やる気のある子もいれば、そうでない子もいます。このあたりを考えに入れないと、行事への取り組みはうまくいきません。
これが部活動であれば、結果に重点を置いてもおおむねうまくいきます。なぜならば部活動は、その競技・種目がやりたい人間で構成された集団だからです。けれども学級はそうではなく、さまざまな人間がいます。この見立てを誤ると「みんなは頑張っているのに、どうしてお前はやれないんだ」とか「他の人の気持ちを考えたことがあるのか」といったようなとんちんかんな指導をすることになり、行事によって学級経営が苦しくなっていきます。
ただ、子どもたちが「一生懸命頑張れればそれでいい」と目標を設定すると、僕の場合はうまくいかないことが多いです。練習をサボりがちになりますし、行事に気持ちが向かっていきません。ですから、子どもたちは「結果」を求めるようにさせたいところです。
ただし教員は「結果」ではなく「過程」に目を向けていること。ここがとても重要なポイントです。子どもたちに「優勝に向かっていこう」と言いつつも、それぞれの子の取り組みをきちんと見ていること。これが後々の学級経営にもつながります。
うまくいかない時こそ、成長のチャンスととらえよう
とはいえ、行事への取り組みはうまくいかないことだらけです。よくあるパターンを紹介します。
ちょっと男子~!きちんと練習しなさいよ!
はあ?別に俺らやる気ねえし。勝手にやってろよ。
何よそれ!みんなでがんばろうって決めたじゃない!
面倒くさいし、練習なんてしたくねえよ。
先生~!男子が練習してくれませ~ん!
…はい。よくある風景ですね。男子・女子に限ったことではなく、行事への取り組みの温度差というものは常に存在します。その行事の内容が得意な子もいれば、そうでない子もいるからです。やる気のある子もいれば、そうでない子もいて当然です。まずはそのことを教員がきちんと認識しましょう。「行事への練習に参加しない児童生徒=ダメな奴」としてしまうと、行事の結果がどうあれ、その後の学級経営に甚大な影響をもたらします。それほどまでに教員の認識は重要です。
行事に向けた練習は、うまくいかなくて当たり前。ではどうしていくのか?ということを、ぜひとも子どもたちとともに考えたいものです。具体的な方策としては、このようなものがあります。
などなど、さまざまな方法があります。うまくいっていないときこそ、学級を成長させるチャンスでもあります。子どもたちと話し合いながら、アイデアを出してみてください。
絶対にやってはいけないことは、熱心でない児童生徒を糾弾し「なぜやらないんだ!」と皆の前で吊し上げることです。これをやってしまうと、後々まで禍根を残します。気持ちは理解できますが、ぐっとこらえましょう。また、子どもたちの間でそういったことが起こることのないよう、気を配る必要もあります。
結果がどうあれ、行事前と比べた成長を認める
行事が終わったあと、子どもたちにどんな言葉をかけるのか…。学級経営において、教員の手腕が発揮される場面の一つです。
僕はあらかじめ、パターンごとに言葉を用意しておきます。
いずれにしても「子どもたちの努力した過程を認め、その成長への喜びを伝える」ことにしています。
結果が出ないことが「失敗」なのではなく、挑戦しないことが「失敗」だと考えているからです。行事に向けて努力した時点で、子どもたちは成長しているはずです。そのことを伝えるようにしています。
まとめ
行事で学級経営のレベルアップを図りましょう!
いかがでしたか?運動会に限らず、行事というものは子どもたちを成長させるチャンスになります。ただし、取り組ませ方を間違えると逆に学級が崩れていくきっかけにもなり得ます。子どもたちを成長せせるには、まずは教員がビジョンを持っていなくてはなりません。子どもたちが価値を見出し、目標に向かって協力していく期間にしていきましょう。
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