ホスピタルクラウンとしても活動されている、大棟耕介氏の講演会を聞く機会がありました。
その時に考えた、子どもたちとのコミュニケーションのあり方について述べていきます。
・子どもたちとのコミュニケーションがうまくいかないと感じている人
大棟耕介氏は、闘病中の子どもたちに対してボランティアでクラウンとしての活動を行っている方です。
講演会の中で、いつも子どもたちと接している私たち教員にも通じる考え方に触れることができたので、そのことから子どもたちとのコミュニケーションについて考えてみます。
先に結論を述べておきます。
・まず自分に余裕があることが大前提
・自分でなく、相手が主役
・「どうだすごいだろう」ではなく「すごいですねえ!」
子どもたちとのコミュニケーションに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください!
相手のことを思いやり、合わせる
講演の中で、繰り返し強調されていたのは「相手のことを思いやる」ということでした。
相手を思いやるということは、相手を主役にする、ということ。
相手を主役にするからこそ、相手は喜ぶ。
そんな相手意識が、コミュニケーションにおいて大切だとのことでした。
私たち教員はどうでしょうか。
「子どもたちが主役」であるとは、よく教育現場で声高に語られます。
しかし実態として、大人の都合を優先させる場面が多くはないでしょうか。
子どものことを思いやり、合わせるような意識が、いつも自分の中にあるだろうか…
そんなことを考えました。
子どもを笑顔にするためには、まずは大人が笑顔になる
「子どもたちを笑顔にするためには、まずは大人たちが笑顔になる必要がある」
長い入院生活を送った子どもたちを笑顔にするには、まず親を笑顔にする必要がある。
大棟氏は、経験からそのように考えているようでした。
教員である私たちは、笑顔で子どもたちの前に立つことができているでしょうか。
そう自問自答したとき、胸を張って「そうだ!」と言える方は、本当にすごいと思います。
僕は…できているときもあれば、できていないときもある、と思いました。
でも、「子どもたちを笑顔にするためには、まずは大人たちが笑顔になる必要がある」という言葉は、とても大切だと思います。
疲れがたまっているとき。
授業がうまくいかなかったとき。
私生活が乱れているとき。
そんな、生きていれば当たり前にやってくる「不調」のときも、子どもたちを笑顔にすることは私たちの仕事のひとつです。
自分自身の感情の波をおさえ、子どもたちと向き合っていこう…そんなことを思いました。
相手のことを思いやるためには、余裕が必要
相手のことを思いやることは、相手を主役にすることであり、コミュニケーションにとって大切です。
しかし、それはあくまでもこちらに余裕があるときに限ります。
余裕があるからこそ、次に何をしようか考えたり、この後の話の展開を予想したりすることができます。
(大棟氏はそう語りながら、バルーンでプードルを作っていました。すごすぎる…)
これ、僕らの仕事にも言えることですよね…
仕事に追われ、心に余裕のない教員が相手のことを思いやることができるでしょうか。
子どもたちを主役にした教育を行うことができるでしょうか。
いや、それはきっと難しいでしょう。
だからこそ仕事は精選されねばならないし、時間外勤務は少なくするべきなのです。
ティーチングではなくコーチングへ
「クラウンの仕事は、こちらがどうだすごいだろう、とするようなものではないんです」
「お客さんからの反応を繋げて、合わせて、そして雰囲気を作っていく。主役はお客さんです」
講演の中で、大棟氏はこのように話していました。
これはまさしく「コーチング」の考え方ですよね。
対極に位置するのが「ティーチング」です。
簡単に言えば”私教える人、あなた教わる人”というものです。
これでは教わる人はずっと受動的なままです。
そこで最近注目されているのが「コーチング」と呼ばれる手法です。
対話によって相手の考えを引き出し、主体性を生かしながら成長を助けていく。
そんな手法が「コーチング」です。
相手のことを大切にする大棟氏の考えとも一致するところが多いと思いました。
僕自身、学級経営にコーチングの考え方を取り入れています。
子どもたちに「ああしなさい、こうしなさい」と教え込むのでは、主体性は育ちません。
「どうしたい?」「どうするといいかな」と投げかけ、子どもたちに考えさせる。
それも相手を主役にしていく方法のひとつなのかもしれません。
コミュニケーションで重要なことは「大げさなリアクション」
「アクションではなく、リアクションを大げさにすること」
相手のことを思いやるには、リアクションこそ大切だと大棟氏は言います。
こちらの働きかけではなく、相手が行ったことに対する反応を大げさにする。
私たちの仕事で言えば、子どもたちの話を聞くときのリアクションに生かせそうです。
子どもたちが「こんなことがあったんだよ、実はね…」と話かけてくることがありますよね。
そのとき、期待しているような反応が返ってこなかったとしたら、子どもたちはどう思うでしょう。
もう話すのはよそう
そう思ってしまったとしても、仕方のないことでしょう。
けれども、私たちが身を乗り出して「へええ!それから!?」「え~っ、それはすごい!」などと聞いていたら…
楽しかった、また話したい!
そんなふうに思うことでしょう。
もちろん、私たちには他の仕事もありますし、いつもいつもそんな反応をすることはできません。
でも、このことを意識しているのとそうでないのとでは、きっと大きな差が生まれてくるとも思います。
「子どもたちのことを考える」とは、そんな意識の積み重ねだと感じました。
結論:自分の余裕+相手意識=相手への思いやり
今回の結論です!
・まず自分に余裕があることが大前提
・自分でなく、相手が主役
・「どうだすごいだろう」ではなく「すごいですねえ!」
大棟氏の講演会に参加して、相手のことを思いやることは「技術」だと感じました。
「技術」であれば、誰でも身につけることができます。
ポイントを学んで、ぜひ子どもたちとの関係をより良いものにしていってください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、良い教員ライフを!
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