子どもたちの距離感が上手くとれません…いい方法がないでしょうか?
子どもたちとの距離感、長いこと僕も自分の課題でした。
この記事にもあるように、適切な距離感を見極め、保つことはとても重要です。離れすぎてもいけないし、近すぎてもいけません。
そう!そうなんです。私の場合は、「こうしなきゃ」って思いが強すぎて、子どもたちと距離を縮められないんです。
それでしたら、「共感」する技術が使えるかもしれませんよ!今回はアドラー心理学の視点から、共感する技術についてお伝えします。
「共感」は技術である
私たちは一般的に、「彼の主張は共感を呼んだ」とか「彼女の悔しい思いには共感を覚える」といったような、同じような感情をもったことを表現するために「共感」という言葉を使います。
しかしながら、アドラー心理学では共感は態度であり、技術であるとされています。それゆえに、誰にでも訓練次第で身につけることができるものだ、ともされています。子どもたちはもちろんのこと、他者との距離感を縮めるためには、この共感という技術を用いることも有効な手立てのひとつです。それでは、どのような態度が共感と呼ばれるものになるのでしょうか。
「わたしがこの人と同じ種類の心と人生を持っていたら」
まずは、「もしもわたしがこの人と同じ種類の心と人生を持っていたら?」と考える。そうすれば、「きっと自分も、この人と同じような課題に直面するだろう」と理解できるはずだ。
岸見一郎,古賀史健「幸せになる勇気」
例えばここに、宿題をやってこない生徒がいるとしましょう。このとき、教育者である我々が「どうして宿題をやらないんだ、きちんとやりなさい」と叱責したとしたら、この生徒はどのように感じるでしょうか?もちろん、教育的な観点から、そのようなアプローチが必要なときもあります。しかし基本的にはやはり、寄り添った指導を行いたいものです。その際に使えるのが、「共感」です。
まずは「もしもわたしがこの人と同じ種類の心と人生を持っていたら?」と考える。自分がその生徒と同じ年齢で、同じものの見方をして、同じ仲間に囲まれていたとしたら、どのように考えるのだろうか。どうして宿題をやってこないのだろうか。このように他者に寄り添う態度・技術のことを、アドラー心理学では「共感」と呼びます。技術である以上は、誰でも身につけることができます。
こう言うと、「他人の心や人生など、理解できるはずがない」という気持ちがわいてくることでしょう。僕自身もそう思います。他者になりきることなどできませんし、その心や人生を完全に理解することなどできません。自分自身のそれですら困難なのですから。しかし、他者が見ているものを想像し、聞いている音を想像することはできます。そのために必要なことは、「他者の関心事」に心を寄せることです。
「他者の関心事」に関心を寄せる
「子どもたちの関心事」に関心を寄せるのです。あなたの目から見て、どんなに低俗な遊びであろうと、まずはそれがどんなものなのか理解しようとする。自分もやってみて、場合によっては共に遊ぶ。「遊んであげる」のではなく、自分自身がそれを楽しむ。そのときはじめて、子どもたちは自分たちが認められていること、子ども扱いされていないこと、ひとりの人間として「尊敬」されていることを実感するでしょう。
岸見一郎,古賀史健「幸せになる勇気」
「他人の心や人生など、理解できるはずがない」という主張はその通りです。他者の人生など理解できようはずもありません。しかし、想像することはできると思います。そのための方法として、アドラー心理学では相手が何に関心をもっているか?ということに注目します。相手の関心事についての理解を深めることで、その心や人生についても想像することができます。
クラスの子どもたちの「関心事」を言うことができるでしょうか?子どもたちとかかわっていくほどに、彼らは「関心事」を教えてくれるでしょう。好きなアニメ、キャラクター、趣味、習い事、ゲームなどなど。そのためには子どもたちと対話し、かかわりを深くしていく必要があります。
子どもたちの「関心事」を知ることができたのなら、あとはそれを一緒に楽しんでみましょう。おススメされた本を買ってもいいし、ゲームをプレイしてみてもいいです。流行りの曲を聞いてみるのもいいでしょう。そしてその感想を共有すること、その態度自体が「共感」と呼ばれるものです。子どもを一人の人間として認め、その関心事を理解しようとすること。そこに距離感を縮めるためのヒントが隠されているでしょう。
まとめ
クラスの子どもたちは、何が好きなのでしょうか?
いかがでしたか?今回はアドラー心理学の視点から、子どもたちとの距離感を縮めるための一つの方法として、「共感」する技術について紹介しました。クラスの子どもたち一人一人の「関心事」がすでに言えるのであれば、「共感」を身につけることも難しくはないでしょう。まずは子どもたちの「関心事」がどんなものなのか、観察したり対話の中で聞き出したりしてみましょう。そしてその「関心事」を、教員も実際に楽しんでみましょう。そういった態度こそ「共感」です。
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