子どもから「何のために勉強するんですか?」と聞かれて、とっさに答えられませんでした…。どう答えるのがいいんでしょうか?
今回はこんな質問にお答えします。
・勉強する意味がわからなくなった人
・勉強する意味を考えたい人
・「何のために勉強するの?」と聞かれて即答できない人
子どもからの定番の質問ですが、意外と答えに詰まってしまうのが「なぜ勉強するのか?」というものです。
勉強は子どもたちにとって苦しいものでもあります。
だからこそ、意味を知りたくなるのです。
自分がやっていることにはどんな意味があるのか、考えたくなるのです。
教員として子どもたちと関わる以上、自分なりの答えをもつことはとても大切です。
その答えが質問してきた子にとって「正解」でなくてもいいのです。
ただ、借り物の言葉ではなく、あなたの血の通った答えでなくてはなりません。
唯一絶対の答えがあるわけではないからこそ、自分の答えを考え続ける意味があるでしょう。
先に結論を書いておきます。
・勉強するのは選択肢を増やすため
・それは勉強が進学先や就職先を決めるための尺度になっているから
「何のために勉強するの?」に対する答えを探している人は、ぜひ参考にしてみてください!
選択肢を増やすことができるから
僕の答えは「選択肢を増やすことができるから」です。
現代の社会では、勉強した内容を身につけた程度によって、進学先や就職先が決まります。
それによって職業や年収、生き方が変わってきます。
勉強した内容を身につければ身につけるほど、それらを選ぶ権利を与えられます。
つまり「選択肢を増やすことができる」といえます。
したがって「なぜ勉強するか?」と聞かれたら、僕は「選択肢を増やすため」と答えます。
選べることは幸せである
ここで注意したいのは「有名校に進学したり大手企業に就職したりするために勉強する」のではない、ということです。
あくまでも選べる権利を手にすることが重要なのです。
幸福には様々な尺度があります。
人によっては大手企業に就職することが幸せかもしれませんし、それによって多額の賃金を得ることに幸せを感じるかもしれません。
しかしある人によっては、それらに全く幸せを見いだせないでしょう。
このように幸福観は個々人の主観に大きく左右されると考えます。
同時に僕は「選べないことは不幸である」とも考えています。
例えば、あなたが喉が渇いていたとしましょう。
その時、自販機があったとします。
その自販機には水しかなかったとしたらどうでしょう?
渇きを潤すことができるからヨシ!となるでしょうか?
たしかにそういった考え方もあるのでしょうが、僕は水もコーラもお茶もスポーツドリンクもオレンジジュースもある自販機で、自分の好きな飲み物を選びたいです。
それが幸せなことだと思うからです。
勉強によって進路が決められるのは不公平?
このような話をすると、
勉強が苦手な人もいるのに、勉強という尺度で進学先や就職先を決めるのは不公平だ!
といった批判を受けます。
しかしそれは事実ではありません。
歴史を見ればわかるように、かつて個人が就く仕事(今でいう進学先や就職先)を決定する重要な要素は「出自」でした。
どの家に生まれたか、誰のもとに生まれたか。
日本であれば武士の子は武士に、農民の子は農民に、といった具合です。
そんな自分ではどうしようもない要素によって自分の進路は決まっていました。
「出自」によって人生があらかた決まっていた過去に比べて、「勉強」によって人生を決められることのなんと公平なことか。
「出自」は自分ではどうしようもありませんが、「勉強」は努力次第である程度なんとかできます。
もちろん、全ての人間が努力すれば東大に入学できる、と言いたい訳ではありません。
少なくとも「出自」よりも自分の人生を自分で決定できる余地がある、ということです。
このことを考えるたび、進路決定の尺度が「100m走のタイム」や「顔面偏差値」などでなくて本当によかった、と思うのです。
結論:勉強すると選択肢を増やすことができるから
今回の結論です!
・勉強するのは選択肢を増やすため
・それは勉強が進学先や就職先を決めるための尺度になっているから
「勉強」という字は勉めるよう強いる、という意味です。
僕はもっぱら「学習」と言いますが、子どもたちにとっては勉強の方が馴染みがあると思いますので、今回は勉強する意味について考えてみました。
多くの子どもたちは「勉強」が好きではありません。
だからこそ「なぜ勉強するのか」といつも疑問に思いつつ、勉強に取り組んでいます。
彼らに最も身近な大人の一人として、そして教育のプロとして、教員はこの疑問に対する生きた答えを持っている必要があると思います。
僕の結論は読んでいただいた通りです。
さて、あなたはどう感じましたか?
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、良い教員ライフを!
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