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社会科教師のおススメ本シリーズ④世界の見方を学ぼう ハンス・ロスリング著「ファクトフルネス」

はんめん
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ユーモアたっぷりに「ファクト」から世界の姿を教えてくれる本です。何度も読みたい。

目次

あなたは世界の真実を知っている?

質問1(ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS」より)

世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子どもはどのくらいいる?

A 20%   B 50%   C 80%

質問2(ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS」より)

いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?

A 20%   B 50%   C 80%

このような12の質問を1万4千人にしたところ、平均正解数は2問だったといいます。しかも回答者は医学生、教師、大学教授、科学者、ジャーナリスト、政界のトップなどなど、学歴が高く国際問題に興味のある人たちばかりです。

優秀な人たちでさえ、世界のことを何も知らないようだ」

と著者のハンス・ロスリングは書いています。仮にチンパンジーにこれらの問題を出したとしたら、正答率は33.3%になるはずです。ところがチンパンジーよりもはるかに賢いはずの人間たちが、誤った選択肢を選んでしまっています。ほとんどの人は、世界は実際よりも怖く、暴力的で、残酷だと考えているようです。

私たちの「10の思い込み」とは

あなたは、次のような先入観を持っていないだろうか。「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう」

ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS」より

僕は持っていました。世界はとても怖く、油断のならないところで、どんどん悪くなっているようにさえ思っていました。そしてその感覚でとらえた世界について、子どもたちに語っていました。ところが…ハンス・ロスリングは続けます。

少なくとも西洋諸国においてはそれがメディアでよく聞く話だし、人々に染みついた考え方なのではないか。わたしはこれを「ドラマチックすぎる世界の見方」と呼んでいる。精神衛生上よくないし、そもそも正しくない。……時を重ねるごとに少しずつ、世界は良くなっている。何もかもが毎年改善するわけではないし、課題は山積みだ。だが、人類が大いなる進歩を遂げたのは間違いない。これが、「事実に基づく世界の見方」だ。

ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS」より

この本では、本能に基づいた10の思い込みについて紹介されています。そしてその思い込みこそが私たちに世界を歪んでとらえさせているのです。

日々の生活に「ファクトフルネス」を応用する

本書には、日々の生活の中で「ファクトフルネス」がどう活用できるのかが記されています。一部を抜粋します。

世界には健康と所得のレベルがさまざまに違う国があることと、そのほとんどは中程度だということを子どもたちに教えよう。

ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS」より

反対に見える二つのことが、両立することを教えよう。世界では悪いことも起きているけれど、たくさんのことが良くなっていることを伝えよう。

ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS」より

世界は変わり続けていることと、死ぬまでずっと知識と世界の見方をアップデートし続けなければならないことを教えよう。

ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS」より

これらは教育の場で、「ファクトフルネス」がどのように使えるのか、言い換えれば子どもたちに何を伝えるべきなのかということを示しています。社会科の教員として世界の事実は知っておかなくてはなりません。けれどもその前に、一人の大人として、子どもたちにどのように世界の在りようを伝えていくのか。本書にはそのひとつの答えが記されています。

まとめ

はんめん
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社会科教員として、そして一人の大人として。本書によって得られるものの見方は大いに役立ちます。

いかがでしたか?「ファクトフルネス」を読むことで、世界の見方は確実に変わることでしょう。そのことは未来を背負う子どもたちの前に立つ教員として、必須の変化であると思います。子どもたちに未来を託す僕たちが世界の姿を知らずして、教育を行うことができるのでしょうか。世界は確実に良くなってきています。数々の”ファクト”がそれを証明しています。

少しでも「ファクトフルネス」に興味を持った方へ、背中を押す著者からのメッセージを記しておきます。

自分の殻に閉じこもるよりも、正しくありたいと思う人へ。世界の見方を変える準備ができた人へ。感情的な考え方をやめ、論理的な考え方を身につけたいと思う人へ。謙虚で好奇心旺盛な人へ。驚きを求めている人へ。ぜひとも、ページをめくってみてほしい。

ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS」より

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 [ ハンス・ロスリング ]

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感想(60件)

「魅力的な教員」になるためには?

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この記事を書いた人

子どもたちの成長を間近で見ることができる、教員の仕事ってとっても魅力的!でも労働環境が良くないのもまた事実。解決方法を模索しながら奔走する毎日を過ごしています。公立小中学校で勤務して11年目です。
教育大学卒。専門は社会科(政治学)。ネコ派。二児の父。

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