僕のバイブルです。マジで視界が一気に広がりました。
ヨーロッパ(アメリカ含む)では宗教は一神教。アジアでは多神教です。その違いはどこにあるのか?という答えを、異なる風土からなる食生活に見出したのが、本書の特徴です。
日本人の主食は、米です。僕も大好き。では、西欧人の主食は?パンでしょうか。はずれ。パスタ?それも違う。答えは、肉です。
家畜を育て、殺し、その肉を食すことで、西欧人は生きてきました。植物の育ちにくい冷涼な気候ゆえに、そうせざるを得なかったのです。
当然ながら、家畜を殺すことには、強い心理的な抵抗を感じます。では、西欧人はその抵抗をどのように和らげたのか…?勘の良い方はピンときましたね。そうです、「牛や豚は人間のために、神様がおつくりになった」と考えること、すなわち絶対神を造りだし、世界の成り立ちを説明しようとしたのです。つまり、一神教の誕生です。
風土が食生活に影響し、食生活が人々の思想にまで影響を及ぼす。そのことを理解しているかどうかによって、アメリカを含むヨーロッパのとらえ方は確実に変わります。
また、なぜキリスト教的結婚式があのような形で行われるのか?ということについても、家畜とともに生活してきた歴史から触れられています。ですから本書を読めば、
結婚式は教会で挙げたいわ!
ええっ?だってキリスト教の結婚式って、○○が××ようにするための△△何だよ?それを知っても、本当に教会で挙げるのか?
…あなたとは一緒になれないわ。さようなら。
というやりとりができてしまいます。ご注意ください。
キリスト教に興味のある人、食文化に興味のある人、ヨーロッパの歴史に興味のある人におススメです。ヨーロッパの対比として日本の食文化や歴史にも触れられていますので、社会科教師としての視野が広がること間違いなし、です!
ニッポンの肉食 マタギから食肉処理施設まで (ちくまプリマー新書) [ 田中 康弘 ] 価格:858円 |
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