今回は久しぶりに、おススメ本シリーズです。
久しぶり…というかまだ3冊目なんですね。
そうですね…他にも書きたいことがたくさんありますからねえ。
んで、今回はどんな本なんですか?
コレです。
突然ですがみなさんは、日本のお米の生産量ランキングを知っていますね?1位が新潟県、2位が北海道です。
うんうん、そういうイメージですよね。あとは秋田県とか山形県とか…
ところがですよ。この2位の北海道、およそ100年ほど前までは、米なんて全く採れなかったのですよ。
え?全くですか?
そうです。多くの方が誤解しているところなのですが、本来北海道は稲作に適していない土地なのです。寒冷であり、しかも泥炭地が広がっていますからね。北海道開拓使が農学校に招いたケプロンも、「寒冷積雪地は稲作に向かない」と発言し、北海道では稲作が何度も試みられていたものの、結局は中止となっていました。そこで出てくるのが、中山久蔵です。
中学校2年生の「北海道地方」の学習に使える!
導入は「北海道でとれるものって何がある?」から始めて、米について出させます。そののち、「100年くらい前まではまったく米が取れなかった」ことを紹介し、意外性をもって教材と出会わせます。
もちろん「品種改良」や「客土」といった技術的な進歩がこの陰には隠れているのですが、大事なことはその技術が編み出されたウラには、人間の情熱があったということです。今回でいえば全く稲作には適していない北海道で、中山久蔵という人物が情熱をもって稲作に取り組み、それを発展させていくことが、のちの技術的な進歩につながった、ということです。このことを子どもたちには読み取らせていきたいなあ、社会科では大事にしていきたいなあ…と思うのです。
一人でも多くの人が、一粒でも多くの種もみを育て、精魂込めて米を作れば世の中は変わっていく
川嶋康男著「北限の稲作にいどむ」
時は明治、多くの武士が仕事を失い、生活の基盤を求めて新天地である北海道に移り住んでいく時代でした。屯田兵として北海道に渡った彼らの苦境を目にし、中山久蔵はなんとかこの地で稲作を成功させたい!と思い、一人で研究に明け暮れたのでした。
というように、「北海道地方」の学習で大いに役立ちます。北海道の自然環境の厳しさとか、稲の特徴とか、品種改良の技術とか、さまざまなことを織り交ぜながら授業を展開することが可能です。
中学校の社会の先生におかれましては、読んでいただくと知識の幅が広がること請け合いです。
まとめ
いかがでしたか?今年は特に単元を組んで研究授業をすることが難しいと予想されますが、教師としての知見を広めるためにも、読書はしておくといいですよね。
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