
クラスのあの子、忘れ物が多くって…何回言ってもなおらないんですよね~…どう対応したらいいんでしょう?



今回はこんな疑問にお答えします!
・忘れ物が多い子どもへの対応に悩んでいる人
・子どもたちの忘れ物を少なくしたいと思っている人
クラスの中には、いろいろな子どもがいます。
足の速い子、勉強が苦手な子…そして、忘れ物が多い子。
忘れ物が多いと、私たちとしてはとても困りますよね。
提出書類がいつまでもそろわなかったり、アンケートの結果を入力できなかったり。
そのせいで同僚や管理職に頭を下げなくてはならなかったり、定時後に保護者に連絡をしなくてはならなかったりします。
こんな忘れ物が多い子に対して、どう対応するといいのか…日々頭を悩ませている先生方も多いのではないでしょうか。
結論を先に述べます。
・感情的にならない
・具体的な対策を「与える」のではなく「一緒に考える」
・期限を目に見える形にする
「忘れ物が多い子どもへの対応に悩んでいる人」「子どもたちの忘れ物を少なくしたいと思っている人」はぜひ参考にしてみてください!
大原則:「感情的にならない」「精神論に走らない」


具体的な対応の方法について述べる前に、大原則となる教員の心構えについて書いておきます。
感情的にならない
経験上ですが、忘れ物をした子は自分を責めていることが多いです。



なんで忘れちゃったんだ、自分はダメな奴だ、もうおしまいだ…



こういった負の感情を抱くことがとても多いです。
そこで教員が感情的に怒ったり、大声で叱り飛ばしたりしたら、その子はますます萎縮してしまいます。
そして何よりも肝心な「次はどうするか」ということを考えることもできなくなってしまいます。
教員側にも提出期限を守らせたい事情がありますので腹が立つ気持ちも理解できますが、やはりそこはこらえたいところ。
感情を抑え、理性的に対応しましょう。
精神論に走らない
忘れ物をした子に対応するときにありがちなのが、精神論に走ってしまうということ。



精神論?



ここでは具体的な方策を考えるのではなく、やる気でどうにかさせようとすることを指します。
例えばこのような対応です。
- 忘れ物をしたのはやる気がないからだと断定する
- 「忘れないよう気をつけろ」とだけ指導する
- 子どもが「次は気を付けます」と言っただけで指導を終える
これらはいずれも「忘れ物をしたことは気の持ちようで何とかなる」という認識に立って行われる指導です。
そして多くの場合、こういった指導は効果がありません。
具体的な対策を考えなくては、結局また同じミスを繰り返します。
その子が忘れ物をしてしまう原因を考えて、それに合った対策を考えていくこと。
そのことが忘れ物を少なくしていく第一歩です。
提出期限を可視化する


提出物には、提出期限(締め切り)が設定されています。
ところが、この提出期限が可視化されていないことが案外多いのです。
我々大人であっても、書類の提出期限は暗記することが難しいですよね。
ましてや子たちにとっては、それを覚えていることは不可能に近いでしょう。
そこで、提出期限を可視化して何度も注意を向けさせる必要があります。
具体的には、次のような方法があります。
- 毎日の連絡に記入させる
- 黒板の隅に書いておく
- 学級通信に載せる
- 教室のドアに貼っておく
このように提出期限を可視化することは、忘れ物が特に多い子以外の子どもたちにとってもメリットがあります。
何度も提出期限に関する情報を目にすることで、クラス全体の忘れ物もぐっと少なくなることでしょう。
前日になって出ていない子には、もう一度書類を渡す


さて、提出期限を可視化したところで、それだけでは持ってこない子は持ってきません(笑)
どうしても提出物を出すことを苦手にしている子は、一定数存在するものです。
ですので、そういった子に対してはもう一段階踏み込んだ支援が必要です。
そこで、提出期限の前日になってもまだ提出がされていない子をリストアップし、その子たちにはもう一度書類を渡すようにします。



これが単純ながら効果的!
「今まで可視化されていた情報」+「新たにもう一度もらう書類」+「提出物への意識のし直し」により、翌日の提出率はほぼ100%になります。
ひと手間かけるわけですが、上でも述べた通り、提出期限に書類がそろわないことにより発生する時間的・精神的なロスを考えると…ぜひともかけておきたいひと手間です。
忘れ物をした原因に即した対策を一緒に考える


子どもたちだって忘れ物をしたくてしているわけではありません。



当然ながら、そこには原因が存在します。
大切なことは、その原因を一緒にさぐり、対策方法を一緒に考えることです。
「考えておきなさい」なんて言っても考えられるはずはないし、「○○して対策しなさい」なんて言ったところで子どもは考えていないのですから意味がありません。
教員がともに考えることで、子どもは「忘れ物を少なくする方法」だけでなく「問題を解決するための手段」すらも学ぶことができます。
この手法は「コーチング」と呼ばれるもので、個人的にとても効果があると思っています。
こちらの記事で詳しく解説していますので、関心のある方はぜひどうぞ。


子どもたちが忘れ物をする原因は家庭環境や性格などによって千差万別ですが、大まかにタイプを分けることが可能です。
書類を保護者に渡すことが苦手なタイプ
教員が渡した書類を、保護者に渡すことを苦手にしているタイプです。
このタイプの子どもは、書類の保管に難があることが多いです。
対処方法としては次のようなものがあります。
- 机の中を整頓する
- もらった書類を入れるクリアファイルを用意する
- 帰ったらすぐに書類を出すよう習慣づける
これらの対処方法を、子どもと一緒に具体的にしていくと習慣になっていく可能性が高まります。
とはいえ、何度も失敗しながら学んでいくので、長い目で見ていきましょう。
保護者が書類を書いてくれないタイプ
子どもから保護者へと書類が渡っているけれど、保護者が書いてくれないタイプです。
子どもというよりは保護者の責任ですので子どもへの指導はしにくいのですが、意外とよくいるタイプです。
対処方法としてはこのようなものがあります。
- 保護者に電話する
- 「もらってくるまでがあなたの仕事」と言い、子どもに催促させる
- 学級通信や明日の連絡などで、保護者にも提出期限を繰り返し伝える
保護者がだらしないことが多いので、なかなか改善されないこともありますが、根気よく繰り返し伝えていきましょう。
保護者から受け取った書類を教員に渡すことが苦手なタイプ
保護者が記入した書類を受け取ってはいるものの、教員に渡せずに期限を過ぎてしまうタイプです。
このタイプの子へは、次のような対応方法があります。
- 期限前日に確認する
- 机の中を整頓する
- 提出期限を可視化する
提出状況が改善されていく傾向にある子が多いので、対策を一緒に考えながら成功体験を積ませていきましょう。
結論:冷静に具体的な対策を、子どもと一緒に考える



それでは今回の結論です!
・感情的にならない
・具体的な対策を「与える」のではなく「一緒に考える」
・期限を目に見える形にする
「先生、忘れました」と言われると、ついつい「なぜ」という感情が先行してしまいがちです。
けれどもそこはこらえつつ「次にどうしていくといいか」を考えるようにしたいですね。
そんな態度を子どもたちに見せることもまた、学級経営を安定させる方法のひとつです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
それでは、良い教員ライフを!
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