このシリーズ、需要あるの?
うっ…。きっとあります!社会科教師がどんな本読んでいるのかとか、知識を身につけるにはどうしたらいいのかとか、哲学的な思想を深めるにはどうしたらいいのかとか、興味を持っている人もいるかもしれないじゃないですか!
(あんまり需要なさそう)
ということで、今回おススメする本はこちら。
小林昌平さんの「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」です。
その悩み、哲学者がすでに答えを出しています/小林昌平【合計3000円以上で送料無料】 価格:1,705円 |
人生は苦しいことの連続である
まずもってタイトルがいいですよね。気になって、ついつい手にとってしまいました。
ー生きること、それは苦しいことの連続です。好きな人にふられ、人に裏切られ、いつか病んで、死んでいきます。人生は思い通りにならないものです。楽しさやしあわせよりも、苦しむこと、悩むことの方が、ずっと多いのではないでしょうか。ー(「おわりに」より抜粋)
確かに、人生はままならないものです。容姿や生まれ持った資質など、自分の思い通りに変えられないこともあります。とんでもなく理不尽な目にもあうことだってしょっちゅうですし、こちらの思いが相手に伝わらず、こんなはずじゃなかった、ということも多々あります。
この本の中では、そんな誰しもが抱くような悩みについて、哲学者たちの見解を紹介するという形でひとつの答えが示されています。その悩みとは、「将来、食べていけるか不安」「緊張してしまう」といった自分のことについてのものから、「上司とうまくいかない」「大切な人を失った」という人間関係のもの、さらには「やりたいことがない。毎日が楽しくない」「死ぬのが怖い」といった人生に関わることまで、様々です。
僕であれば、「教師の仕事を、今後も続けていけるのか」とかね。
この本を読んでいると、「なるほど、こういう考え方もあるのか!」と気づかされることがあります。まさに新たな視点を得て、自分自身が抱えている悩みについて、一歩前進するような感覚が確かにあります。そして一方で、名前くらいは知っているあの有名な哲学者も、自分と同じようなことで悩んでいたのだ、という奇妙な連帯感も味わうことができます。本を読んでも彼らが悩んで悩んで悩みぬいた答えのほんの上澄みだけしか得ることはできませんが、それでも十分な処方箋になるでしょう。
哲学者の見解に加えて、さらにおススメ本まで紹介されています。気になった哲学者の著作に触れ、さらに深くその世界を味わうことまでできてしまうのです。
教師としての視点から見るのであれば、生徒指導にも大いに役立つことでしょう。
生徒指導でも役に立つ!
実際の生徒指導の場面で、どのように役に立つのでしょうか。例を挙げて見てみましょう。
先生、オレ、お金持ちになりたいんです。どうしたらいいですか?
なるほどねえ。マックス・ウェーバーは「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の中で、こう言っているよ。うんたらかんたら…
せ、先生!!
と、このように生徒指導ができちゃいます!
なんたって悩みは人類共通のものばかりですからね。こういう見解もあるよ、と生徒に話すだけでも、生徒からの信頼はアップしそうなものです。また、「あくまでも一例だけれども…」と控えめに話す方が、「こうあるべきだ!」と高圧的に話すよりも、生徒に伝わりやすいようにも思います。
また、生徒指導に必要なものとして、「教員自身の教養」があります。信念や哲学、といってもいいかもしれません。様々な問題に対して、自分なりの問いと答えがあるかどうか。生徒はそういった教員の生きざまによって、信頼できる・できないを見定めているように思います。
実際のところ、私たち自身も上司を値踏みするとき、そのような視点をもって判断しているのではないでしょうか?生徒と接するにあたり、自分自身の教養を深めたい人にはぜひとも手に取っていただきたいものです。
まとめ
今回のまとめです!
いかがでしたか?今まさに悩んでいる人、教養を身につけたい人におススメな本でした。教員のみなさんにとっては、自分自身の教養も深まるし、生徒たちへの接し方も変わってくるし、2度おいしさのある本だなあ…と思っています。
コメント