面白い授業をするには、どうしたらいいの?
今回はこんな悩みを解決します。
魅力的な教員になるためには、面白い授業を行うことは必須条件です。
いくら人間的に魅力があっても、教員の本業である授業が面白くなくては、子どもたちはついてきません。
とはいえ、どうしたらいいのかわからないのも事実です。
そこで今回は面白い授業の対極である「つまらない授業」について考えてから、面白い授業のやり方について考えてみようと思います。
先に結論を書いておきます。
・面白い授業をするには「教材研究」が必要
・面白い授業をするには「子ども主体」の授業にする
「面白い授業をしたい」「つまらない授業をしたくない」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください!
そもそも論:つまらない授業ってどんな授業?
面白い授業が何なのか、という話をする前に、面白い授業の対極にある「つまらない授業」について考えてみましょう。
そんなんいいから面白い授業のコツを早く知りたい!という方はすっ飛ばしてくださいな。
以下は僕が受け持った子どもたちに聞いてみた「つまらない授業」の一覧です。
- 教員がずっとしゃべっている授業
- 教科書をひたすら読む授業
- 板書を2枚以上書く授業
- ずっと同じことをしている授業
- 笑いのない授業
順に解説していきます。
教員がずっとしゃべっている授業
意外と陥りがちです。
授業時間の半分以上も教員が話していたとしたら、それはもうしゃべりすぎだと思います。
これの何がまずいって、
話している方は気持ちいいんですよね(体験談)
でも、子どもたちにとってはたまったものではありません。
話長いなー早く終わらないかなー
つまらない授業の典型です。
教科書をひたすら読む授業
教科書読めばわかりますやん
と子どもたちに思われていたら、それはつまらない授業ですね。
子どもたちの貴重な時間を奪っているということです。
そうならないよう、我々は教材研究を行わなくてはなりません。
板書を2枚以上書く授業
授業を受けているのか、筆記の練習をしているのか、わからなくなってしまう授業です。
基本は1時間に板書は1枚です。
書かなくてはいけないポイントをしぼって教材研究を進めましょう。
ずっと同じことをしている授業
楽しいことであればいいのですが、そうでもないことをずっと行う時間は苦痛です。
ひとつの活動につき、長くても15分程度で区切りをもたせるといいでしょう。
45分間の授業であれば、15分間の活動を3つ考えておきましょう。
教科書の問題を解く→教員の出題した問題を解く→問題集の問題を解く、といった具合です。
笑いのない授業
1時間で1回も笑いのない授業をした教師は、ただちに逮捕する
有田和正
必死に授業を進める、それは教員としてあるべき姿なのかもしれません。
しかし、子どもの立場に立って考えてみてください。
1日6時間、まったく笑いもなく、教科の授業ばかりを受けていたとしたら、どう思うでしょう?
疲れ果ててしまいませんか?
ただでさえ子どもたちにとっては、学習は大変な活動です。
だからこそ、笑いのある授業にしたいものです。
つまらない授業とは?:まとめ
さて、ここまで「つまらない授業」がどういうものか考えてきました。
ここまでの話をまとめると、「つまらない授業」とはこのようなものであるといえるでしょう。
- 教材研究が不十分な授業
- 教員主体の授業
つまり、「面白い授業」とはこのように言えるでしょう。
- 十分に教材研究を行った授業
- 子ども主体の授業
これだけです!
十分に教材研究を行おう
面白い授業を行うための要素のひとつは、教材研究を十分に行うことです。
野口芳宏氏の考え方を借りれば、教材研究は次の3つに分かれています。
1 素材研究
教師という立場、「教材」ということを考えないで、一人の人間、一人の大人として、「事実」そのもの、「作品」 そのものと正対し、「事実」や「作品」を力一杯追究する(考える、楽しむ、味わう、感じ取る、格闘する…)こと。
http://www.koganei.ed.jp/~higasies/01_aboutus/pdf/kocho-4.pdf
教員であることを忘れ、「教える」という立場ではなく、人間として教材を味わいます。
言い換えれば、子どもたちが教材に出合ったとき、どのように感じるのかを考えるということです。
教材そのものが持っている魅力や持ち味はどんなものがあるのか、それを考えます。
2 教材研究
教師の立場に立って、素材ではなく、教材(教育の材料)としての研究をすること。その教材を用いて教育内容 (指導内容)を子供に達成させるためには、どのような目標で、どのような方法(指導方法)によってそれを達成させていけばよいのかを研究する。
http://www.koganei.ed.jp/~higasies/01_aboutus/pdf/kocho-4.pdf
次に、教員の立場として「教材」を考えます。
学習の目標は何か、どのような切り口で授業を進めていけばいいのか、実際の授業の流れを考えていきます。
3 指導法研究
授業の組み立て、すすめ方など教材の活用を具体的に想定した指導方法を研究すること。単元レベル、1時間の授業レベルで考える。
http://www.koganei.ed.jp/~higasies/01_aboutus/pdf/kocho-4.pdf
最後は指導法研究です。
「教材」に合った授業の組み立て方にはどんなものがあるのか、どのように指導していくと効果的なのか、といったことを考えます。
4 教材研究についてのまとめ
これらを組み合わせながら、授業について考えていきます。
極論すればどんな教材も面白く授業をすることができます。
どんな指導法なら、どんな考え方なら、どんな提示方法なら面白くなるのか。
それを考えるのも教材研究です。
とはいえ、時間がないのも事実です。
ポイントをしぼって教材研究を行う方法も書いていますので、良ければご覧ください。
子ども主体の授業にする
文科省も「主体的・対話的で深い学び」を目指していく方向性を打ち出しています。
「主体的・対話的で深い学び」がどのようなものかは、別記事で解説しています。
ここで重要なことは、子どもたちが「主体的に」学ぶような授業にしていく必要がある、と国も考えているということです。
もちろん私たち教員は子どもたちにとって面白い授業を行いたい、と願っているものです。
しかしそれ以上に、子ども主体の授業は「やらなくてはならない」ことでもあるのです。
では、どのような授業にすると子ども主体となっていくのでしょうか。
簡単に言えば、
- 子どもが自らめあてを考える
- 既習事項を振り返る
- 子どもの思考に合わせて授業を考える
- 子どもの考えを生かしてまとめる
といったあたりがポイントです。
別記事でくわしくまとめていますので、良ければ参考にしてみてください。
結論:「教材研究」と「子ども主体」がカギ
・面白い授業をするには「教材研究」が必要
・面白い授業をするには「子ども主体」の授業にする
面白い授業をしたい!という気持ちは、教員であれば誰でももっているものでしょう。
どうしたら面白い授業ができるのか、悩んでいる方のヒントになれば幸いです。
ここで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、良い教員ライフを!
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