研究授業の反省会で、「力のある教材だったね」と言われたんですけど…「力のある教材」って何ですか?
「子どもたちの興味を引き付け、のめりこませる教材」というような意味でつかわれることが多いように思います。面白い授業ができる教材、というような意味合いですね。
わかったようなわからないような…。面白い授業をするためには、やっぱり「力のある教材」が必要なんですか?
面白い授業がすべて「力のある教材」で行われているかといえば、それはNOです。ですが、「力のある教材」を使うことができれば、面白い授業になりやすくはなります。子どもたちが主体的に学習を始める感じですね。「主体的・対話的で深い学び」にも近づく方法のひとつでしょう。
ふむふむ、じゃあどうしたら、「力のある教材」をつくることができるんですか?
では今回は、教材研究についてお話していきましょう。
はじめに
どんな授業にしようかな、といった構想や計画、そして教材そのものを深く知ること。それらをひっくるめて、ここでは教材研究と呼ぶことにします。
「力のある教材」はたまたまできることもありますし、教科書に載っていることもあります。ですが、どうやったらただの教材を「力のある教材」に変えることができるのか、こればかりは何度もやってみるほかありません。逆に言えば、やるほどにうまくなるのが教材研究でもあります。
教材研究とは
ニンジンを想像してください。普通のニンジンです。畑から今とってきたばかりの、土のついたニンジンです。
さて、そのニンジンを、人が食べられるようにするには、どうしたらいいでしょうか?それもただ単に食べられれば良いのではなく、おいしい料理にするためには?
まずは土を洗い落とし、皮をむき、食べやすい大きさに切りそろえ、火を通して、他の食材と一緒に調理をして…というように、いくつもの作業が必要になります。教材研究もこれと同じです。
何の加工もしない、生のままの社会的事象を持ち出したところで、子どもたちにとっては何も面白くはありません。その社会的事象をどのように加工するのか、そして面白さを引き出していくのか。それこそが教材研究です。
Q:どうしたら「力のある教材」になるのか?
A:教師が面白さを感じるまで、教材を深く研究しましょう。
これに尽きます。教師が面白さを感じながら行っている授業では、子どもたちもそう感じているものです。教師が面白くないと思っていることに、子どもたちが興味や関心を引き付けられるのかというと…そんなことはありませんよね。
そして極論すれば、どんな教材も「力のある教材」にすることができます。
深く研究するほどに、教材について調べれば調べるほどに、「学問の面白さ」と感じるようになってきます。なぜこうなんだろう、どうしてなんだろう、という面白さです。そしてそこまで教師が到達すれば、子どもたちにも同じ面白さを味わわせてあげればよいのです。そうすればその教材は、「力のある教材」となります。
とはいえ、手っ取り早く面白くしたい
諸事情により、そういう方もいることでしょう。手っ取り早く研究するとしたら、教師が「え?」と思うポイントを掘り下げていくと良いです。例えば…
・なぜ消費税を上げたのか?
・どうして徳川家光は参勤交代を定めたのか?
・なぜ寒い北海道で米作りがさかんなのか?
などなど、「そんなこと当たり前」と思っていることでも、「なぜ?」と問われると、「え?」となることがよくあります。その「え?」を、掘り下げて研究していくのです。すると、「そうなのか!」という答えが見つかっていきます。そこが面白さです。あとは教師が発見した面白さを子どもたちに伝えていけば…面白い授業ができていくでしょう。
まとめ
いかがでしたか?学校再開が見え始めてしまっている今。教材研究ができる時間は徐々に残り少なくなってきています。授業にかける時間が限られているからこそ、子どもたちにとって面白い授業の準備をしておきたいですね。
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