同僚の先生が心の病気で休職されることになりました。
A先生は担任を持ちたくて、でも持てなくて…という状況が何年も続いていました。
そこには種々の理由があるのだろうけども、A先生はだんだんと自分は必要とされていないんじゃないかって思うようになったそうです。
けれどもあきらめずに管理職の先生に訴え続けた結果、ついに担任をもたせてもらえることになりました。
張り切って学級経営に取り組むA先生。でもうまくいかないことは多かった。ベテランだってうまくいかないんだからそれは当然のことなんだけれども、責任感の強いA先生は「自分の努力が足りないんだ」と思い、クラスの生徒のために働き続けました。
学級経営がうまくいっていないと、授業もうまくいかなくなってしまいます。授業は教師と生徒でつくるものですから、人間関係がその根底にあるためです。A先生の授業は、だんだんと私語が目立つようになっていきました。
学年の先生に助言を求めても「あなたが望んだことなんでしょ」と言われ、具体的な対処方法は教えてもらえませんでした。
保護者との懇談会では、「クラスがうまくいっていないようだ。担任が生徒との関係をうまくつくれていないのではないのか」と言われました。そのたびにA先生は悔しさでいっぱいになりました。
懸命に働けども、生徒との関係はよくならず、同僚の先生ともうまくいかず、どうしていいかわからず、ただ申し訳ない気持ちでいっぱいだったと、A先生は言います。
医者から休職をすすめられ、ようやくその状況から脱出できたA先生。
心を病んで、休職に入るときにさえも「申し訳ありません」って言いながら、職員室を去っていきました。
どうしたらよかったんだろう。何がいけなかったんだろう。
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