まだまだ経験は浅いですが、それなりに会得しているコツを紹介します。
学級経営に、コツなんてあるんですか?
もちろんありますよ。それも季節ごとにコツがあります。時期によって、起きる問題というものは傾向が決まってくるものです。
はじめに
学級経営は、教師それぞれのキャラクター(性格とか話し方とか考え方とか)によってかなり違います。
A先生が行っていることをB先生がやったら、全くうまくいかない!なんてことはざらにあります。
以前、子どもと積極的にかかわっている先生の真似をして、あまり学校に来ていなかった子になれなれしく話しかけたことがありました。その子はおびえた表情をして、以降、僕と話すことはなくなりました。
今考えれば当然なのですが、当時は「うまくいっている先生の真似をするところから始めよう」と思っていたので、とりあえずやってみたところ…とんでもない失敗になってしまいました。特に配慮を必要とする子とかかわるときは、注意が必要です。
このあたりは生徒との関わりあいの中で、経験を積んでいくしかないのですが…それでもあえて、僕自身が普段気をつけていることを書いていきます。悩んでいる先生の役に立てると嬉しいです。
4月 出会いの時期
4月の出会いをまずは大切にしましょう。黄金の3日間でルールを決め、それを徹底させることです。活発な子どもにもルールをきちんと守らせることで、安心感が生まれます。「このクラスは無法者を許さない」ということを実感させ、ルールのもとに学級経営がなされていく、と子どもたちが感じることが重要です。
また、気をつけたいのは子ども同士の関わりがうまくいっているかどうか。どうしてもかかわりが苦手な子どもはいます。でも、そういう子でも、「がんばりたい!」と思っているのが4月です。教員が間に入ることで、関わりあいを仲立ちしていきましょう。
意識的に様々な子ども同士が交流できるようにすることも、大切なことです。任せておくと、仲の良い子ども同士で固まってしまい、グループができます。その後、何も手を打たないとグループというよりは派閥となり、お互いにしのぎを削るようになります。そうなってしまうと、学級経営は困難を極めます。
5・6月 トラブル発生の時期
人間関係が形成されるときです。大体の関係が落ち着き、子ども同士の交流が活発になってきます。反面、人間関係のトラブルも多く出てきます。低学年ほど問題が表面化しやすいですが、その分対応もしやすいものです。高学年のトラブルは根が深いことも多く、表面化したときにはかなりこじれていることもあります。けれども面倒くさがらず、子どもの声に耳を傾けながら、生徒の意思にそって解決していきましょう。きちんと対応していけば、「この先生は親身になってくれるな」と感じてくれることでしょう。そういった子どもたちからの信頼は、今後の学級経営を円滑にしていきます。
7・8・9月 保護者対応増加の時期
夏休みを挟んで、人間関係が流動しやすい時期です。前までは一緒に帰っていたのに、最近はあの子とうまくいかない、なんていう悩みが出てきます。生徒の不安は保護者にも伝わり、懇談会などの機会に問題が表面化することがあります。保護者からの相談や依頼は、普段教師からは見えない部分を指摘していることが多いです。
問題は表面化することで、教師が対応せざるを得なくなります。ですから面倒ではあるのですが、保護者に対して「教えてくださってありがとうございます、助かります」という姿勢で対応することが重要です。保護者が学校に対して相談するには、われわれが思っている以上に勇気が必要です。それを押して来ているのですから、その苦労に共感することが大切なことです。
そうすれば、保護者と共に子どもを見守る、という構図ができてきます。すると、問題が起きたときに保護者の協力を得ることが簡単になります。これが、もしも保護者と対立しているのに協力を取り付けなくてはならなくなると…!とっても大変です。ですから、保護者を味方につける、とまではいかないまでも、中立の存在にしておくことは学級経営にとって重要なことです。
10・11・12月 行事関連の時期
運動会・体育大会や合唱コンテスト、文化祭など、子どもたちが活躍する場面が多い時期です。学級一丸となって取り組むことが大切になってきますが、そういった活動を苦手としている子どももいる、という認識をもちましょう。
例えば、合唱の練習中にまじめに歌わない子どもがいるとしましょう。「何で歌わないんだ!」と叱り飛ばすのは逆効果です。発奮するなんてことは無く、その子は拗ねてしまい、学級経営はますますうまくいかなくなるでしょう。
ポイントとなるのはここまでの学級経営で、子どもたち同士のつながりをきちんとつくってきているかどうかです。教師の言葉は聞かなくても、クラスの子の言葉であれば素直に聞くことも多々あります。子どもたち自らが行事に真剣に取り組み、教師はそのサポートをする。これが理想だと思います。そんなにうまくはいかないことも多いのですが。
何にしても、集団活動になじめない子どももいるのだ、ということを教師が視点としてもっておくことは、こちらの余裕にもつながるため、有益だと思います。教員としては全員がそろって行事に取り組んでいる姿を追い求めてしまいますが、それぞれの子どもが行事を通してどう成長できたのか、という点を評価したいものです。
1・2・3月 学年があがる準備の時期
冬休みも終わったあとの3学期は、来年度の0学期である、とも言われます。
今年度の学びを振り返ると同時に、ひとつ上の学年に上がるための準備の時期です。このままの姿ではいけない、と教師があせりやすく、そのために対教師のトラブルが増える傾向にあります。対教師のトラブルは、一度こじれると生徒との関係が修復できないことも多いです。そうなると、当事者だけの努力では問題が解決できないため、間に入る教師の働きが大切になります。
そのときのためにも、教師間の関係も作っておきたいところですし、自分が担任していないクラスの生徒とも、それぞれの教師が関係を築いておくこと、つまりは学年体制で生徒を見ていくことが重要になります。これも4月からの努力によるものですので、積極的に関係を構築し、もしものときには助けてもらう、あるいは助けにいくようにしたいものです。教師集団が一枚岩の体制でいることは、問題を起こさない生徒たちの信頼を得ることにもつながります。
4月からの働きかけ、そして教師間の連携も重要、ということですね
生徒・保護者・そして教師と、様々な人間と良好な関係を築いておくことが、学級経営のコツだと考えます。それらを構築し、維持することにコストをかけることで、良い学級を作ることができるでしょう。
まとめ
今回のおさらい!
いかがでしたか?学級経営は子どもたち同士の相性もあり、毎年最適解が変わるものです。それでも、自分自身にあった子どもとのかかわり方を見極めることは、今後の教員としての成長にとって大切なことです。大人同士の連携をとりつつ、子どもたちとも積極的にかかわっていきましょう。
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