社会科の授業…難しくないですか?どうやって組み立てればいいんですか?
今回はこんな疑問にお答えします。
小学校での社会科の授業、苦戦している方が多い印象です。
何を教えればいいのか?どうやって教えればいいのか?
そんな声をよく聞きます。
教員がひたすら説明するような退屈な授業になってしまいがち…
こんな悩みをもっている先生も、僕の周囲にはよくいます。
恥ずかしながら、僕も以前は同じ状況でした。
けれども、とある考え方と出合ってから、子どもたちが主体的に活動する授業を流せるようになりました。
先に結論を述べておきます。
小学校での社会科が苦痛…という方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、今回の記事は公開授業などの特別なときではなく、あくまで日常を想定しています。
時間配分のパターンを決める
まずは時間配分を決めておきます。
大人もそうですが、終わりの見えない作業というものは退屈です。
短い作業をいくつか組み合わせることで、授業のテンポを保ちつつ、集中力を持続させます。
僕の場合は、このような時間配分にしています。
- 5分:授業の導入
- 15分:「QNKS」で子どもたちが自習する
- 5分:子どもたち同士で「QNKS」を見合う
- 15分:教員による授業内容解説
- 5分:振り返り
毎回の授業を同じ流れにすることで、子どもたちに見通しをもたせることができます。
見通しがもてるということは、安心感にもつながります。
「QNKS」って聞きなれない言葉ですけど…何ですか?
思考の流れをとらえる概念です。これについてはくわしく紹介しますね!
「QNKS」で授業の骨組みをつくる
「QNKS(キューエヌケーエス)」とは、葛原祥太氏が提唱している思考法のことです。
おおまかにいえば、「Q(問い)」に対するキーワードを「N(抜き出し)」、「K(組み立て)」、そして「S(整理する)」ことによって、考えることを具体化しようとする試みです。
これを導入すると、子どもたちが自分で教科書の内容を読むことができるようになります。
例えば、教科書に「日本はどんなものを輸出しているのだろう」という「Q(問い)」があったとします。
子どもたちはこの「Q」に対するキーワードとなりそうなものを、教科書から「N(抜き出し)」し、それらの単語を「K(組み立て)」して、最後には「Q」に対する答えを文章として「S(整理)」します。
「QNKS」はデジタル教材とも相性がよいです。
例えば?
「ロイロノート」や「スカイメニュー」「コラボノート」など、タブレットを用いて教員と子どもがやり取りできるツールと組み合わせると、授業がとてもやりやすくなります。
そうすることで、
教員がノートを配る→子どもが自分で教科書を読んでノートを書く→提出する
といった流れができます。
さらには子どもたち同士でノートを見合うこともでき、読み取った内容について話しあったり、思考の組み立て方を深めることができたりします。
「QNKS」を導入することで、日々の授業の流し方は良い意味でパターン化していきます。
15分間で授業内容をわかりやすくまとめる
「QNKS」が子どもたちに浸透していくにつれ、教科書の内容を読み取ること自体は、子どもたち自身で行うことができるようになります。
教員の役目のひとつは、教科書のキーワード同士のつながりを理解しやすくすることです。
ときには、教科書に載っていない内容を含めて解説する必要があるかもしれません。
僕は大体、15分ほど時間をかけて解説を行います。
子どもたちが教科書を読めるようになるほどに、解説の部分にはわかりやすさが求められます。
少なくとも、教科書をただ読んでいくような解説では退屈な印象を与えてしまうでしょう。
解説をわかりやすくするためのポイントを2つ、紹介します。
1 視覚化した資料を使う
デジタル教科書を用いて拡大した資料を映し出したり、動画を見せたり。
資料を見やすく視覚化することは、子どもたちの理解を進めます。
特に、学習が苦手な子どもほど、映像による学習効果があるように思います。
「百聞は一見に如かず」というやつですね。
NHKもオススメですよ!
2 板書は穴埋め形式にしておく
板書もひと工夫したいところ。
僕はよく「穴埋め板書」を使います。
ポイントとなるところを空欄にしておき、子どもたちに尋ねながら埋めていくというものです。
結論:「QNKS」を軸として日々の授業を構想しよう
今回の結論です!
・「QNKS」の考え方を取り入れ、子どもたちが教科書を読めるようにする
・教員はわかりやすい解説と板書の準備にエネルギーを注ぐ
・授業のパターンをつくる
小学校での社会科の授業に悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
授業のパターンを確立させて、毎日の授業準備をルーティン化できれば、負担は大幅に軽減できます。
ぜひとも取り組んでみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、良い教員ライフを!
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