僕の目指す 「魅力的な教員」

【アドラー心理学】「課題の分離」を教育現場で活用する

うさ美

子どもたちに学習させて、生活の指導もして、集団での生活の方法も教えて、部活もやって、心のケアもして…教員ってやることが多すぎるっ!!

はんめん

今回はこんなお悩みについての提案です。

この記事を読んでほしい人

・仕事が手一杯で余裕がない人

・アドラー心理学に関心がある人

教員の仕事量は暴力的ですらある、といつも感じています。

全てのことを時間内に終えることはもはや不可能に近いです。

けれどもそんな中で、少しでも軽重をつけるためにはどうしたらいいのでしょう。

一つの提案として、アドラー心理学における「課題の分離」を提案します。

先に結論を述べておきます。

結論

・「課題の分離」とは、その課題が誰のものであるかを考え、その境界を明確にするものである

・考えられうる結果を示し、選択自体は子どもにさせる

「毎日の生活が忙しすぎる」と感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

「課題の分離」とは?

「課題の分離」とは…

個々の人間が持っている課題を、一体誰の課題であるのかを考え、それを分けて考えること

例えば、宿題をやらない子どもがいるとします。

それをやらせようとする大人(親、教師)がいますね。

この場合、「宿題をやる」という課題は、一体誰のものなのか…ということです。

うさ美

ついつい、休み時間も使ってやらせてしまいます…

はんめん

その気持ちはよくわかります!それも大切なことではあります。

しかし、「誰の課題か」と考えると…これは明白に、その子の課題です。

やらないことによる不利益(学力の低下、信頼の減少、叱責を受けるなど)は、子どもが引き受けなくてはなりません。

このように、その結果を誰が引き受けるのか?ということを考えると、「課題の分離」が見えてきます。

課題が誰のものなのかを考えることで、「課題の分離」をすることができる。

はんめん

「他者の課題に土足で踏み込むことで、人間関係の問題は生じている」とアドラーは説きます。

よく「あなたのためを思って言っているの」という親や教師がいますが、これはまやかしです。

真に相手のことを思うなら「課題の分離」に基づいて、相手の選択を尊重するべきです。

先ほどの例でいうのなら、宿題をするかしないかは子どもに選ばせるべきです。

はんめん

ただし!

仮に宿題をしない、という道を選んだとき起こりうる可能性と、それによって被る不利益については、説明しなくてはなりません。

大人が説明した上で、子どもに選ばせることが必要になってくるでしょう。

このように、「課題の分離」を行う根底には、相手の人間性を尊重する、ということが必要です。

この点において、子どものことを「劣った存在である」と考えてはうまくいきません。

「劣った存在」だと考えることは、過保護や過干渉のもととなるでしょう。

相手の人間性を尊重し、未来の可能性を提示した上で、相手に選択をさせる。

そしてその選択を尊重する。

はんめん

これこそが「課題の分離」です。

明日からこう使える!

では、具体的にどんな場合に役立つ考え方なのでしょうか。

例えば、進路指導。

どの進路を選択するか?ということはまさしく子どもの課題であります。

本来ならば、周囲の大人たちが口を挟むことではありません。

ですが多くの場合、子どもは夢を見がちです。

場合によっては保護者も、現実を直視しようとせずに、都合のいい解釈ばかりしていることがあります。

過去のデータを見ると、明らかに分が悪いとはわかっていても、頑としてこちらの話を受け入れないとき。

そんなときこそ「課題の分離」の出番です。

先生、オレ、どうしても○○高校を受けたいんです!

はんめん

厳しい勝負になるよ。データを見る限り、過去にこの成績で合格した先輩はいない。もしも○○高校に不合格だったら、△△高校に入学することになるかもしれない。そうすると、君の学びたがっている分野とは違ってきてしまうよ。だから、□□高校を第一志望にするっていう手もあるよ。

それでも、受けたいんです!

はんめん

…そうか、わかったよ。じゃあ本番までの間、必死に勉強しようね!

というような流れになります。

起こりうる可能性を提示した上で、相手に決めさせることがポイントですね。

結論

はんめん

今回の結論です!

結論

・「課題の分離」とは、その課題が誰のものであるかを考え、その境界を明確にするものである

・考えられうる結果を示し、選択自体は子どもにさせる

「課題の分離」は、ともすれば無責任なのでは?と誤解されがちな考え方です。

子どもに任せている、という点ですね。

はんめん

しかし僕が思うに、真に無責任なのは、相手に選択させず、「こっちのがいいに決まっているでしょ」と自分の考えを押し付け、相手の人生を尊重しないことです。

相手の人生なのですから、相手の選択によって進めていくべきではないでしょうか。

「課題の分離」の考え方ができるようになると、教育現場での心理的負担が軽減されると思います。

アドラー心理学について学ぶのであれば、岸見一郎著「嫌われる勇気」がわかりやすくおススメです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、良い教員ライフを!

「魅力的な教員」になるためには?

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この記事を書いた人

子どもたちの成長を間近で見ることができる、教員の仕事ってとっても魅力的!でも労働環境が良くないのもまた事実。解決方法を模索しながら奔走する毎日を過ごしています。公立小中学校で勤務して15年目です。
教育大学卒。専門は社会科(政治学)。ネコ派。二児の父。

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