毎日忙しい!もっと早く教材研究をするやり方はないの?
今回は、こんなあなたに向けて素早く教材研究ができるやり方を、小中学校に勤務して10年の僕が紹介していきます。
・最低限の教材研究のやり方を知りたい人
・「授業をとりあえず流したい」と思っている人
・「早く帰りたい」と思っている人
教員は授業が本業!なのですが、仕事が多すぎて正直言ってそれどころじゃないんですよね。
もちろん教材研究には時間をかけるべきなのですが、そうも言ってられません。
時間をつくれるようになってきたら、今回の記事で学んだことを生かして、さらに深く教材研究をしてみましょう。
先に結論を書いておきます。
・授業のねらいや流れを確認するなど、考えるべきポイントをしぼる
・授業が終わったときの板書案を考える
・まとめられるものはまとめる
「教材研究を素早くできるようになりたい」「早く帰りたい」と思っている人は参考にしてみてください!
ポイントをしぼり、要点だけを把握することができれば、時間を短縮できる
それができたら苦労しませんよ…
そう思う方もいますよね。
ですから、抑えるべきポイントをこの記事では解説していきます。
まずはこのポイントを抑え、最短の時間で教材研究を行えるようになりましょう。
教材研究を深めていくのは、余裕ができてからでも十分間に合います。
ポイント① 「指導編」を読む
まずは教科書の指導編を読みましょう。
「指導書」や「赤刷り」とも呼ばれているものです。
確認すべきことは2つ。
- 学習のねらい
- 授業の流れ
順番に解説していきます。
学習のねらいを確認する
教員の行う授業は、学習指導要領に基づいて行われる必要があります。
すべての児童生徒に共通の教育課程では、まずは、学習指導要領に示している国民として身に付けるべき基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせることが重要です。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1321018.htm
そのため、まずは授業のねらい=授業のゴールを確認しましょう。
例えば写真の教材では、
「自分たちの代表を選ぶ」ということへの議論を通して、学校や社会をよりよくするために主体的にかかわっていく態度を育てる
となっています。つまり授業が終わったとき、子どもたちが、
「自分たちの代表を選ぶ」ことを話し合って、集団をよりよいものにしようと思う
ようになっていればOK、ということです。
このように、学習のねらいを確認することは、授業のゴールを決めることにもなります。
授業の流れを確認する
授業のゴールがわかったら、次はそこに至るまでの流れを確認します。
写真の教材では、
- 選挙について知っていることを出し合う
- 「選ぶということ」を読み、自分たちの代表を選ぶということについて話し合う
- 集団の一員として自分がどのようにかかわっていきたいか、考えをまとめる
このようになっています。
まずはこのまま流してみましょう。
え…でも全然面白くなさそうですよ?
そう思いますよね。
ここからどこまで面白くしていくかが、教員の腕の見せ所であり、教材研究の奥深いところです。
面白い授業にしていくためには、ちょっとした工夫が必要です。
- 目の前の子どもたちに、どんな発問をするか?
- 子どもたちは、どんな反応をするか?
- 子どもたちの興味を引くためにはどんな画像があればいいか?
指導編のそっけない授業の流れに、あなたが授業をする子どもたちを当てはめて見てください。
どんな声をかけたら、どんな表情で話したら、こんな反応が返ってくるだろう。
想像の世界で、授業を流してみましょう。
すると、面白くするためにはどうしたらいいかがわかってきます。
ここから先の教材研究はとっても深いので、ぜひ追求してみてください。
ただしそれは、時間のある時に行えばOK!
毎日の睡眠時間を削ってまで行うことではない、と僕は思います。
ポイント② 板書案を用意する
板書案ができれば、教材研究は終了です。
なぜなら、板書の完成=授業の終了、だからです。
板書には様々なパターンがありますが、まずは授業の流れを当てはめて考えてみましょう。
横書きなら…
縦書きならこんな感じ
教科書会社によっては、指導編に板書案を載せています。
そちらも参考にすると、教材研究にかかる時間がさらに短くなるでしょう。
ポイント③ まとめて教材研究する
毎日本当に忙しい日々を送っていると思います。
まとめて教材研究する時間なんて無いですよ…
そう思いますよね?
でもまとめることができれば、時間を省くことができるのです。
それは、教科書やノートを出したりしまったりする時間です。
この時間を節約できれば、結果的に学校にいる時間を少なくすることができるはずです。
さて、まとめるべきことは3つです。
- 単元ごとにまとめる
- 一週間ごとにまとめる
- 学年の間でまとめる
順に見ていきます。
単元ごとにまとめる
新しい単元に入るとき、その単元をまるっと教材研究しておきます。
単元によりますが、おおまかに10時間弱で単元が組まれていると思います。
さらにその中には子どもたちの活動を主として組まれている時間もあり、実質的には7時間ほどでしょう。
これをまとめて行います。
慣れれば1時間ほどでできるようになりますが、最初のうちは時間がかかってしまうかもしれません。
単元テストの時間や、ドリルに取り組ませる時間の裏側で行っていくなどしていくと良いですね。
この方法の良いところは、各教科で新しい単元に入るタイミングが違うので、日々の授業計画に余裕がもてる、ということです。
僕もこの方法で教材研究を行うようになって、早く帰ることができるようになりました!
一週間ごとにまとめる
多忙な毎日の中で、ちょっとほっとできる曜日ってありませんか?
そんな曜日に、次の一週間の授業をまとめて教材研究してしまう、というのがこの提案です。
先ほども述べましたが、まとめることでムダな時間を省くことができるので、圧倒的に効率がいいのです。
しかし問題はとても面倒なことです。
一週間ということは、担当している授業のコマ数にもよりますが、30時間弱の教材研究を行います。
かつては僕もこの方法で行っていました。
今では「何してんだ!」と叱り飛ばすところですが、土日に家に持ち帰って教材研究をしていました。
この方法の良いところは、一週間の見通しをもって生活できるということです。
夜の8時をまわってから、
「明日の授業の準備をしなきゃ…」
というような絶望的な気分になることはありません。
まとまった時間がどこかの曜日に取れる方にはおすすめできます。
学年の間でまとめる
学年が1クラスしかない!という先生は使えないのですが、学年の間で教材研究を共有することもおすすめです。
例えば使うプリントをまとめて刷っておくだけでも10分は違います。
ベテラン教員に「次の国語の単元、どうやってやっていくおつもりですか?」などと聞いてみるのもいいでしょう。
実際に使う教具や授業の構想をまとめるだけでも、教材研究を早く終えることができます。
ただし、自分だけが得しようとしてはいけませんよ!
学年間での協力関係があってこその方法です。
よりよい関係を築くことができれば、学年全体の労働時間を減らすことができるでしょう。
結論:ポイントをしぼって板書案を考え、なるべくまとめて教材研究すること
今回の結論です。
・授業のねらいや流れを確認するなど、考えるべきポイントをしぼる
・授業が終わったときの板書案を考える
・まとめられるものはまとめる
とても忙しい教員生活。授業が第一とはわかっていますが、そのための準備時間が取れない!という先生方もたくさんいらっしゃることでしょう。この記事の内容が少しでも役に立てればうれしく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
良い教員ライフを!
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