1 生徒指導って?
児童・生徒が問題行動を起こしたときの対応だけでなく、相談に乗ったり考えを深めたりすることも、広い意味では生徒指導と言って良いと思います。その生徒がより良い生き方を考えるきっかけとでも言うのでしょうか。ちょっと大それていますけどね。
2 生徒指導が行える前提条件
児童・生徒と教師の間に、信頼関係があることです。「この先生の言うことなら聞こうかな」「この先生には嫌われたくないな」という子どもの感情が前提ですが、それを作り上げていくのは教師の日ごろの行いやかかわり方であると思います。子どもたちはとても優秀な観察者ですからね。
3 生徒指導の目的
児童・生徒の行動や思考を変えるきっかけを与えることです。よく「生徒に指導して、行動を変えてやった」という教師がいますが、正しくは「生徒に指導した結果、(生徒自身が)行動を変えることを選んだ」と言うべきでしょう。行動や思考を変えるかどうかは、子どもたちに決定権があります。彼らの人生ですからね。教師にできることは、きっかけを与えることだけだと思っています。
4 生徒指導のやり方
ここは人それぞれ…です。教師のキャラクターと、生徒の関係に基づくものである必要があるでしょう。普段は優しく包み込むように生徒に接している先生が、急に厳しいことを言ってもなかなか言葉は届きません。もっとも、そういう方法が効果的な場合もありますが。あえて例をあげるなら、
①叱る役と受け入れる役を作る
複数人で指導に当たることが原則です。その中での性格やキャラクターを考えて、役割分担をします。厳しく言う人と、フォローする人。バランスが大切です。
②行為を責め、人格は責めない
よくやってしまうことです。感情的になっているときこそ要注意。「○○したからお前はダメだ」ではなく、「お前の○○という行動はダメだ」というような、ちょっとした言葉に気をつけましょう。指導後に関係が悪くなることは、できれば避けたいところです。
③児童・生徒の成長を願っていることを伝える
テクニックに入るかも知れませんが、教師としては「厳しいことを言っているが、お前のことを考えているぞ」ということを伝えていきたいところです。ただ、これは思いの押し付けになってしまうことも多いです。あくまで、匂わせる程度に。さりげなく。
5 生徒指導が終わったら
報告・連絡・相談、いわゆるホウレンソウです。相手は保護者・学年の先生・上司(管理職。教頭か校長)。ここを怠ると、こじれたときにどうしようもなくなります。初めのうちは、問題発生→報告・連絡・相談→生徒指導→報告・連絡・相談…くらいでちょうどいいです。頼れる先輩に相談できる環境にある人は、経験のある先生に聞きながらやっていきましょう。
生徒指導は時間も手間もかかりますし、一歩間違えると児童・生徒との関係が悪化してしまう危険性もあります。ただし、その児童・生徒との距離を縮められるチャンスでもあります。問題が起こったら、「関係を作るチャンスだ!」ととらえられると前向きに対応できることでしょう。
コメント