自分の信念を学級経営に落とし込むことが良いのは分かったけど、信念がなにかわからない…
はじめのうちは、そういうものですよ。まずは他の人の言葉を参考にしてみるのも良い方法です。
他の人の考えを真似するってこと?
参考にする、と言ってほしいですねえ!
「いいな」と思う他人の言葉は、自分が言葉にできなかった自分の言葉である
他人の言葉を聞いて、「そうそう、僕もそう思っていたんだよ!」と感じたことはありませんか?
それってまさしく自分の言葉です。ただ、自分自身では気づけなかった、言葉にできなかっただけのことで、自分の言葉として使ってしまって差し支えないと思います。
…嘘はだめですよ?のちのち自分が苦しくなるからです。
今回紹介するのは、森信三さんの「時を守り、場を清め、礼を正す」という言葉です。職場を再建するための方針として掲げられた言葉のようですが、学級経営における核心に迫る言葉なのではないか…と思っています。
時を守ることは、信用を守ること
まず、「時を守り」とありますが、団体生活をする上で「時間厳守」は必須の心構えなのです。具 体的な行動基準としては、10分前までに会場となる場所に到着をしておき、始まるまでに為すべ き事柄(用を足すなど)を済ましておき、5分前に着席して心の準備をしておくという極普通の教え なのですが、会議などでも遅れてくる方がいらっしゃるという現実があるので、簡単そうで難しい事 柄なのかも知れないと思っています。 (http://www.web-ami.com/siryo/358.pdf )
時間を守ることによって、「この人は約束を守る人だ」という印象を他人に与えることができます。
例えば、あなたは宿題を期限までにきちんと出す子と出さない子、どちらを人間的に信用しますか?提出期限や終了時刻といったものは、「約束」です。これを守ろうとする人間かどうかということは、つまりその人間が信用に足る人間かどうか、ということです。
つまりは時を守ることによって、その人の信用が高まり、社会の中で生きていきやすくなります。
当たり前のことですが、この言葉を学級経営に落とし込むのであれば、教師が時間を守らないとアウトです。たちまちのうちに子供からの信用はなくなり、学級は荒れることになるでしょう。
意外と多いんですよね、授業を延長してしまう先生。首、しまってますよ。
場を清めることは、人のために尽くすこと
次に、「場を清め」であります。この実践は5K(気づく・‘素直な’心・謙虚・感動・感謝)を磨くとい うことになります。主に、「清掃」という作業なのですが、「やらされる清掃」なら何も考えずに上辺の 掃除をしている方が多いのですが、そうではなく、清掃を通じて問題点などに気づくことが重要な のです。その気づきを通して、並べ方や物理的なムダの発見などが起こるのです。よく性根の籠ら ない姿で清掃をしている方を見受けますが、私は、そんな気持ちの掃除なら、きっと「やり直し」す る箇所が数多く出てくるように思います。 (http://www.web-ami.com/siryo/358.pdf )
自分が行うことが、確かに他人の役に立つことになる。人のために尽くすことになる。自分は人の役に立つ人間である、と感じる気持ちのことを、「自己有用感」と言います。(※自己肯定感とは似て非なるものです。いずれ解説したいものです)
自己有用感は幸福感と深いつながりがある…と僕は思います。
自分の行いが確かに役に立っている!と感じられることが働く意味であり、幸福に生きるために必要なことなのではないでしょうか。
清掃は、そのような自己有用感を味わうためのすぐれた手立てでもあると思います。
礼を正すことは、集団の中での居場所をつくること
最後の「礼を正す」ですが、基本は「挨拶」と「返事」なのです。「おはようございます」という挨拶 は幼い頃から教えられている筈なのですが、社会人になって出来ない人が多く見受けられるので す。「はい」という返事も同じです。人と人の間には、会話というコミュニケーションが大きな意思伝 達方法なのですが、相手からの呼びかけに返事することは円滑に進めるコツなのです。ところが、 自分の立場が悪くなると「貝」になって、閉じこもってしまって返事もしなくなる方が多いのです。こ れでは、ムダな時間を費やし、その上、人間関係を壊す結果に終わるだけなのです。 (http://www.web-ami.com/siryo/358.pdf )
あいさつをしない、返さないと「なんだこいつ…」となります。社会の中で生きていく以上、あいさつをすることは人生を生きやすくするための手段でもあります。あいさつをすることで、集団での自分の居場所を確保することができるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?もうすぐ4月。学級経営について、考えを進めていきましょう。
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