何なんですかね、保険のおじさん。ずっと職員室で待っているんですよ。声かけるタイミングをうかがってくるんですよ。
来ましたか…初任者を狙う保険屋さん。学校と提携しているらしいですし、勤務時間外のため、職員室内に入ってくることもよくあります。
しかも別室で話を聞くのにも時間がかかるし…こっちはそれどころじゃねえんだっつの!もう。
おや、そう思っているのならそう伝えればいいのではないですか?
それが…面と向かっていうのはちょっと、抵抗があるんだよね…
いけませんねえ、そんな気弱なことでは!保険屋さんはプロですよ?初任の先生たちから、お金を引き出すプロです。保護者対応と同じく、毅然とした対応をしなくてはなりません。さもないと…
さもないと…?
いいようにむしられます。早い話が、カモられるってことです。
保険屋、襲来
そういうわけで、今回は職員室にやってくる保険屋さんのお話です。
僕も初任者のとき、保険屋のおじさんとたくさん話をしました。決して僕が枯れ専であるとか、そういうことではありません。話に付き合ってしまったのです。
断れないんですよね。なかなか。「え、こういうもんなの社会人って?」という感じですし。
そうして話を聞いているうちに、あれよあれよと契約をさせられてしまいました。でも、「社会人になったんだから、保険も必要だよね」って思っていました。あんまり考えていなかった、といえるかもしれません。
そのときに入っていた保険は、掛け捨ての医療保険です。先進医療もカバーしていましたし、障害を負っても生活を保障してくれるタイプのものでした。「万が一あなたがなくなったら、葬式代くらいは残さなきゃ親不孝ですよ」と保険屋さんに言われ、なるほどなあ、それもそうかと思っていました。
が。
葬式代くらい、貯金しておけばフツーにたまります。
若いんですから、医療保険が必要な状態になることは可能性が低いです。(全くないわけではないのが、保険の巧妙なところです。万一に備えて…と危機感をあおってきますが、マジで万一です。つまり0.01%。実際はもう少し確率が高いかと思いますが、本当にそんな事態に備える必要はあるんでしょうかね?)
初任者は、世間知らずです。「○○するのが社会人としての常識だよ」と言われれば、「ふむ、そういうものかな」と思ってしまいます。しかもプライベートのことなので、他の先生はたいてい助けてくれません。自分で自分のお金を守るしかないのです。
保険が必要かどうか迷ったら、ほけんの窓口などの相談所に行くのがおススメです。いろいろなタイプの保険を照らし合わせてくれます。僕もそこで相談をして、契約させられた保険を解約しました。保険屋のおじさんは「ほけんの窓口よりも私たちのほうがお客様のことをずっと考えているし、サポートもずっとしていく」とのたまっていました。あれから十年が経ちますが、保険を解約したのは間違っていなかったなあ…とつくづく思います。
グループ保険ってどうなの?
保険の話が出ているので、もう一つ。
僕の勤務する自治体では、9割を超える教員が加入しているという「グループ保険」。これについても少し考えてみたいと思います。
まずは何と言っても、保険料が安いということです。
一般の保険と比べ、グループ保険は多くの教職員が加入するために、保険料が安く設定されています。これはうれしい。
また、その年の運用実績によって、年度末に現金で(!)還付金を得られます。現金で、というところがなかなかのポイントです。通帳に入らないお金ですから、何に使うか…?若手の先生も、結婚するとこの重要性がお分かりいただけると思います。
以上のようなメリットがあり、9割以上の先生が加入している保険になっています。保証も手厚く、よくわかんなかったらこれに入っておけば、まあ安心です。わからないことも聞きやすいですからね。
このようにわかりやすいメリットがあるにも関わらず、僕はグループ保険に加入していません。それは、次のようなデメリットがあるからです。
まず、保証は一生涯ではありません。基本的に掛け捨ての医療保険であるので、払い込みを続けている限り、保証が受けられるという性質のものになります。
現在販売されている医療保険の中には「〇歳まで払い込んだら、後の保証は一生続く」というものがあります。それと比べると、見劣りしてしまうなあ…と思うのです。
絶対にこっちのが良くない?って思うのです。
医療保険を使うようになるのは、高齢になってからです。グループ保険は払い込みを続けていないと保証が受けれられない仕組みになっているので、高齢になってからも保険料を払い続ける必要があります。それはとても苦しいと思うのです。ただでさえ収入が減りますし、年金なんてどれだけもらえるかわかりませんし。2000万円必要とか、75歳から受け取りにしてもいいよとか、老後は不安が付きまといます。そんな中、保険料まで払い込まなくてはならないとしたら…!辛くはないでしょうか。
それよりは、現役のうちに保険料の払い込みを終え、あとは保証を受けるだけにしておいたほうがいいのではないかな、というのが僕の考えです。
次にこのグループ保険は、教職員でないと加入・継続できないという特徴があります。まあ、当たり前ですよね。先生のための保険ですから。
よくわからないんだけど、どうしてそれがデメリットなのさ?
…教師をずっと続けますか?っていう話です。
グループ保険をメインの保険としてしまうと、転職が容易にできなくなる、ということです。このご時世、いつまで教職についていられるかわかりません。また、退職を余儀なくされることもあるでしょう。そのとき、新たな保険に一から入りなおさなくてはならないのです。
保険というものは、加入する年齢が低ければ低いほど保険料が安くなります。リスクが低いですからね。転職をするときの年齢が若ければ問題がないのですが…。このデメリットを僕は大きくとらえています。目先のお金につられて、一生の仕事を教職に決める必要もないだろう、と思うのです。もちろん、教職には誇りをもっていますが。
まとめ
いかがでしたか?社会人になると考えることも増えていきます。保険は家に次いで高額な買い物です。よくよく考えて契約してくださいね。
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