今回は、学級通信のデメリット②です。ずばり、リスクは増加します。
タイトルにあるように、生徒指導と法令違反のリスクが増加するということ?
その通りです。学級通信を出す以上は、避けられないリスクです。
生徒指導はまだわかる気がするけれども…法令違反って?何の法令に違反することになるのさ?学級通信でしょ?
教員の中にも、このことを意識していない人は大勢います。悲しいことですが、無知は罪なのです。これから学級通信を書こう!というみなさんは、ぜひとも対策をしっかりととってほしいと思います。
リスク① 生徒指導・保護者対応の増加
学級通信に情報を載せる以上、「突っ込まれる」ことが多くなります。ここが悩みどころです。学級通信はメリットが大きいものなのですが、きちんと対策をせず、思いつくままに文章を書いてしまうと、このデメリットが大きくのしかかってきます。生徒指導や保護者対応に追われることになり、結果として学級通信を書くことにメリットを見いだせなくなってしまう先生も多いことでしょう。
次にあげるのは僕の周囲で実際に起きた、学級通信がらみの生徒指導・保護者対応です。
どれもありがちなことです。学級通信を出さなければこういった指導や対応をすることは無いのですが、良かれと思って学級通信を出したばかりに、時間を削られることになってしまいました。
では、どのような対策をとればよかったのでしょうか?
①,②については「自分以外の人もチェックをしてもらう」仕組みをつくることです。学級通信を出す際には、やはり最低でも学年主任、可能ならば管理職のチェックはもらったうえで発行したいものです。これはミスを減らす目的のほかに、万が一トラブルになった際に、一緒に対応してもらうためです。
面倒だからといって、誰のチェックも受けることなく、勝手に学級通信を出していたとしましょう。そして保護者対応になる案件が発生したとします。その時、学年主任や管理職が助けてくれるでしょうか?立場としては助けざるを得ないと思いますが、心情的には「俺の責任じゃない」という思いになることは、想像がつくでしょう。ですから面倒であってもここは、責任を分散するべくチェックをお願いしましょう。ひと手間かけることによって、自分の立ち位置を確保することができます。リスクを減らすように行動しましょう。
③については、年度初めに子どもたちの氏名を辞書登録することをおススメします。これをしておくと、ずいぶん楽になります。細かいところまでは、毎回見ることはできませんからね。「太郎」→「太朗」など、何度も泣かされてきました。
④については、顔のはっきりとわかる写真を載せるのは避けましょう。解像度を下げるか、トリミングするかしておいた方が無難です。たとえ同意があったとしても、避けるべきだと思います。学級通信がいつSNSにアップされるかわからない以上、悪用されないとも限りません。
⑤については、ある意味で教員という仕事の宿命です。どうしたってこの手合いはいます。が、学級通信は長期間にわたって保存されやすい性質があります。教室でしゃべったことなら、はっきりとは証拠が残らない(録音されていたらアウトですが)ため、いくらでも言い逃れが可能ですが、学級通信はそうはいきません。ですから批判をうけることを覚悟のうえで、なるべく無難な文章や言い回しになるよう、留意しましょう。学級通信であえて過激なことを書く必要はないのです。マイルドにいきましょう。
このような対策をあらかじめとっておくことで、生徒指導・保護者対応が増加するリスクを下げることができます。学級通信を出す際には、ぜひとも気を付けてみてください。
リスク② 法令違反になる可能性の増加
ケース1 守秘義務違反
一般的に、守秘義務と呼ばれるものです。「職務上知りえた秘密」と「職務上の秘密」があり、厳密には二つはことなるのですが、ひとまずは「教員だからこそ知っている情報」を漏らしてはならない、と理解しておけば十分であると思います。
例えば、母子家庭などの家族の構成や、離婚するなど家庭の事情は、教員をやっていなければ手に入らない情報ですよね。これを漏らしてしまうとアウトです。懲戒処分を受けることになるでしょう。場合によっては刑罰の対象にもなりますので、注意したいところです。
具体的には、複雑な家庭環境にあることを匂わせる文章を書いた…といったところでしょうか。ありそうなのは、みんなの前では「木村」で通している子のことを、誤って「上田」と載せてしまう、というようなことがあると、守秘義務違反とみなされても仕方のないことだと思います。
また、同じく地方公務員法の第33条には、信用失墜行為の禁止が規定されています。
書く内容によっては、こちらに該当する可能性も十分にありますので、よくよく気を付けたいところです。
ケース2 著作権法違反
著作権法についてはかなり複雑ですので、詳しくは別の記事で紹介しようと思いますが、現実問題としてよくあることです。
例えば、学級通信で歌詞を紹介する、漫画のセリフを使う、ネットで拾った絵を使う、新聞記事をコピペする、生徒の日記を載せる…などなど、これらの行為は著作権法に抵触する可能性があります。
著作権法違反の罪は親告罪が適用されるため、著作権を持っている権利者からの訴えがあって初めて起訴されるものです。ですから訴えがないだけで、著作権法違反をしている場合があります。
法令をよく理解したうえで、計り知れないメリットがある学級通信を発行し、学級経営に生かしたいものですよね。
まとめ
いかがでしたか?これらのデメリットがあることも理解して、保護者を味方につける学級通信を書いていきましょう!
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[…] 学級通信のデメリット② ~生徒指導・法令違反のリスクの増加~はんめん今回は、学級通信のデメリット②です。ずばり、リスクは増加します。タイトルにあるように、生徒指導と法 […]