成績をつけるときって苦労しますよね、絶対評価だから子どもたち一人ひとりに合わせて評価しないといけませんし…どうやったらいいのでしょうか?
…誤解もあるようですので、それを訂正しながら解説していきますね!
・成績のつけ方に悩んでいる人
・絶対評価と相対評価の違いをくわしく知りたい人
学期の終わりには、子どもたちの成績をつけなくてはいけませんね。
成績のつけ方には大きく分けて「相対評価」と「絶対評価」があります。
現行の学習指導要領では、そのうち「絶対評価」が採用されていることはご存じだと思います。
ところがこの「絶対評価」、誤解されることも多々あるように感じています。
この記事では「相対評価」と「絶対評価」がそれぞれどのような評価の方法なのか?
どのような「絶対評価」を行えばよいのか?
そんなことを解説していこうと思います。
先に結論を述べておきます。
・相対評価は集団を基準とした評価方法
・絶対評価は目標を基準とした評価方法
「成績のつけ方に悩んでいる人」や「絶対評価と相対評価の違いをくわしく知りたい人」は、ぜひ参考にしてみてください!
「相対評価」は集団をもとにして割り当てられる評価
「集団に準拠した評価」(いわゆる「相対評価」)は、学年や学級などの集団においてどのような位置にあるかを見る評価のことを指します。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku/faq/001.htm
「相対評価」とは、ある特定の集団の中で、その人がどのくらいの位置にいるかを見る評価の方法です。
例えば「1クラス30人のうち、A評価を与えられるのは3人だけ」というように、あらかじめ枠が決まっており、その枠に当てはまる人間を選んでいくような評価が「相対評価」と呼ばれます。
学校も少し前までは「相対評価」でしたよね~
その通りです。より正確に言えば「絶対評価を加味した相対評価」でした。
機械的な「相対評価」ではなく、あくまでも子どもたちの実態を考慮して成績をつけるよう、当時から考えられていたというわけです。
そして平成10年の学習指導要領の改訂に伴い、平成13年4月に、指導要録の改善通知が出されます。
このような流れの中で「絶対評価」が導入されることとなりました。
「生きる力」を育成することを重視していることから、評価についても、学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を見る評価を一層重視することが重要となります。このため、指導要録においても、これまでの考え方を更に発展させ、従来から「目標に準拠した評価」による「観点別学習状況の評価」に加え、「評定」(各教科の学習状況を総括的に評価するもの)についても、「集団に準拠した評価」(いわゆる相対評価)から、「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)に改めたところです。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku/faq/001.htm
「絶対評価」はあらかじめ定められた目標をもとにして行われる評価
「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)は、学習指導要領に示す目標がどの程度実現したか、その実現状況を見る評価のことを指します。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku/faq/001.htm
相対評価とは異なり、あらかじめ定められた目標に沿ってその到達度をはかるのが「絶対評価」です。
評価方法の特性上、あらかじめ基準を設定しておく必要があります。
例えば100点満点のテストで90点以上の人をA、50点以下の人をCとする、といった具合です。
え、そうなんですか!てっきり子どもたち一人一人のがんばりを見て評価するのだと思っていました!
よくある間違いのひとつですね。
評価する以上は基準(規準)を設けなくてはなりません。
そうでなくては保護者や子どもたちに「なぜこの成績なのか」、説明することができなくなってしまいます。
「えいやっ」と成績をつけました
「がんばっているので/がんばっていないので、この成績です」
このように伝えたところで、果たして保護者や子どもたちは納得するでしょうか?
う~ん…「ハア?」って思っちゃいますね…
説明責任を果たすためにも、成績をつけるべき基準(規準)は明確にしておきたいところです。
結論:相対評価は集団が基準、絶対評価は目標が基準
今回の結論です!
・相対評価は集団を基準とした評価方法
・絶対評価は目標を基準とした評価方法
現在の学校では絶対評価が行われるようになっています。
よくありがちな「絶対評価はその子のがんばりを評価する」という思い込みは、時に説明責任を果たせなくなってしまうこともあります。
きちんとした目標を基準として示し、子どもにとっても保護者にとっても、そして教員にとっても納得のいく評価を行いましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、良い教員ライフを!
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