2学期が始まって少したって、どことなく子どもたちが落ち着かないような気がします…。昨日も静かにしなくてはいけないときに、いつまでもしゃべってしまう子がいました。
担任の先生にもなれてきて、クラスにも居場所ができてくるこの時期に見られる状態ですね。よく言えばリラックスしていますが、悪く言えば崩壊の始まりです。
ここから学級崩壊に向かっていくのかと思うと怖すぎます…!でもどうやって子どもたちに指導していけばいいのでしょうか?
絶対にやめておいた方がいいのは、力で押さえつけることです。強い言葉と強い口調で「静かにしろ」「○○するな」といった指導を行うと、一時的に子どもたちはおとなしくなりますが、不満がたまっていきます。そしてその不満こそ、学級崩壊のエネルギーとなるのです。
あわわ…イライラしたら、ついやってしまいそうです。
余裕がなくなってくると、感情的にもなりやすくなります。今回は子どもたち同士で気を配らせ合う、学級経営のツボをお伝えします。
ツボ:「教員対子ども」から「子ども対子ども」へ
学級が始まって間もないうち、ルールが定まっていないうちは「教員対子ども」の図式が多くなります。
教員が注意を促したり、教員が盛り上げたり、教員が助けたり…といった具合です。
ところが学級がまとまってくると、次第に教員の指示に対し挑戦してくる子どもが出てきます。
その子たちに対して教員が対応をしても良いのですが、どうしても限界があります。教員が限界に達すると、そのクラスは学級崩壊へと向かっていきます。
ですから、学級崩壊を未然に防ぐためにも、この「挑戦してくる子」に対してどのように対応をすると良いのかを考えていく必要があります。そこで今回提案するのは、
「教員対子ども」の図式を「子ども対子ども」にすることです。
子どもたちに自治を促していくということです。
学級担任の仕事は膨大です。授業、授業準備、宿題の用意、宿題のチェック、環境整備、忘れ物対応、清掃指導、給食指導、ほかにもいろいろと。その中で仕事を精選していくためには、子どもたちにできることは子どもたちに任せていく必要があります。
リーダーシップをとる人を明確にする
ここでいうリーダーシップとは、子ども同士の中での指導権を指すものとします。例えば学級代表とかならばり係とか、「指示をしても当然だと思われている立ち位置」にいる子どもには、指導権があります。他の子どもが「早く並ぼう」や「静かにしよう」といった注意を聞き入れやすくなるのです。
「子ども対子ども」の図式を作っていくには、こういったリーダーシップを発揮しやすい環境になっているかどうか注意してみましょう。
例えば「係りの仕事が明確になっているかどうか」。結構見落としがちですが、子どもたちにとって「誰が」注意できるのか、してもいいのかをはっきりさせることはとても重要です。
フォロワーシップを理解させる
ここでいうフォロワーシップとは、リーダーをサポートする力のことを指します。具体的には、リーダーが「~しよう」と言ったときに「やろうやろう!」と言うことです。
リーダーは一人ではリーダー足りえず、フォロワーがいてこそリーダーシップを発揮することができます。つまり「子ども対子ども」の図式に学級経営を落とし込んでいくためには、フォロワーシップこそが最も重要です。学級経営の成否の分かれ目のひとつは、リーダーをサポートできる子をどれだけ育てることができるのか、という点にあると思います。
そのためにはまず、フォロワーシップについて子どもたちに周知し、理解する子を増やすことです。学級の中でフォロワーシップが発揮されるようになってくると、リーダーたちは安心して指示を出すことができるようになり、結果として「子ども対子ども」の図式が完成します。こうなれば、担任は子どもたちのやりとりを見て、うなずいて、認めるだけでよくなります。
「子ども対子ども」で見捨てる子を作らない
学級の子どもたち同士がつながってくると、見捨てられる子が少なくなります。
教員がすべての子どもたちの”面倒”を見る必要がなくなってくるからです。子どもたち自身がリーダーシップを発揮すること、フォロワーシップを理解すること。これらは回り道のようでいて、学級経営を楽にするコツでもあります。子どもたち同士が気を配ることで学級での死角をなくし、教員にとっても子どもたちにとっても居心地のよい教室になっていきます。
まとめ
フォロワーシップがとっても大切です。
いかがでしたか?教員がすべての子の相手をしている限り、子どもたちは受動的です。与えられることに慣れ、次の刺激を求め、主体的には行動しないでしょう。子どもたち自身がリーダーとして動くには、周囲の子からのフォロワーシップが不可欠です。双方についての理解を深めさせ、子ども対子どもで回る学級を作ってみてください。
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