僕の勤務している自治体も、5月末までの休校延長を決定しました。
まあ、全国的に感染が収まっていないからねえ。
かと思えば鳥取や岩手はほとんど通常通りであったり。格差が出ますねえ、格差が。
文科省が一斉に休校にしてくれればいいんじゃないの?
責任を問われたくないのでしょう。日本の為政者は、歴史的に見てもそういう傾向があります。
とはいえ、休校を延長するならするで、我々は課題を用意せねばなりません。
まあそうだよね。でも現状、プリントを配布、くらいしかやることがないんじゃないの?
ぶっちゃけ、そうですね。オンラインで授業を行える素地が全くと言っていいほどないのです。わが自治体は。
じゃあ、良くも悪くも今まで通りだね。
そうはいきません。今回の休校延長は、4月頭のそれとはワケが違います。
…へっ?
前回の休校延長の際は、3月にやり残したところを復習する、という形で課題を出すことが可能でした。ですが今回は、そうではありません。オンライン授業の体制もないままに、新たな単元に取り組まなくてはいけないのです。
休校延長は新たなステージに入った
今回の5月末までの休校延長で、学校はまた新たな問題に直面します。
教師は学校、子どもは家庭に居ながらにして、新たな単元を教えていかなくてはいけないのです。これはまったくもって、未知の領域の話です。
すでにオンラインの環境が整っている自治体や学校は、もしかしたらあまり問題がないかもしれません。というか、今後の学校が目標にすべきはそこだと思うのです。感染がいつまで続くのかが不明確な以上、オンラインで教育を届けられる仕組みを政府が作っていくべきです。
とはいえ、現状はそんなものがない、という自治体も多いはずです。では。そこまでのつなぎをどうするか。ひとえにいって、それは課題の出し方によって解決していくことになるでしょう。
どんな課題が考えられるのか?
オンラインの環境が整っていない、という前提で考えます。どのような課題が考えられるでしょうか?
一番現実的なのは、②の既存の動画を見せる、でしょうか。評価はこの際ペーパーテストで行うとして(「主体的・対話的で深い学び」が始まった年に、これほどの皮肉もなかなかありませんよね)、授業を進めていく、という点ではよさそうです。特に小学校の算数の場合、啓林館が公開している動画がおススメです。https://www.youtube.com/watch?v=zKdTHWQlsb0
こういう動画を教科書会社が用意してくれているなら、教員の仕事は社会性にかかわることに特化していくのではないか?とも予想できるほどの完成度です。正直言って、現場の先生よりもわかりやすい。すべての先生がそうとは言いませんし、対面するからこそのやりとりがあるので、学校での授業を否定するものではありませんが、未来を感じる動画であることは間違いありません。
Twitterでよく見かけるのは、④の自由な課題を出す、というもの。「興味のあることを調べて、レポート形式で提出」という形ならできそうです。「主体的」な学びにはなりそうですよね。深くなっていくかは微妙なところです。ただ、新たな単元を学習していくためには不十分かもしれません。
③自作の動画を見せる、というのが今後最も可能性のある取り組みだと思います。もちろん、Youtubeにあるような学習に特化した動画には太刀打ちできません。でも、担任の先生、教科担当の先生の顔を見ながら生活ができるのは、子どもたちにとって計り知れないメリットであると思います。先の見えない生活で、不安でいっぱいの子が多いはずです。少しでもその不安をやわらげられるのは、身近な人の存在ではないのでしょうか。そのためにも、時間はかかるかもしれませんが、教師が動画を作っていくことは大切だと思います。今後、コロナが終息する時期もわかりませんからね。
余裕があれば、ぜひとも学級通信を出そう
僕自身は学級通信を「学校と保護者をつなぐメディア」として活用しています。学校の中のことって、教員が思っている以上にわかりにくいんですよ。少しでも状況を知ってもらうため、そして僕自身の人となりを知ってもらうために、学級通信を出しています。
今回のような状況であっても、学級通信は力をもつでしょう。具体的に僕が学級通信に盛り込むのは、
こういった内容を、保護者ともども把握してもらえるのが学級通信の良いところです。自分の思想がモロに出る部分でもあるので、言葉遣いや思想の中立性には気を付けなくてはいけませんが、出すだけの価値は十分にあると思います。
さて、学習を自分で進めていくことの重要性についてです。中学生くらいにもなれば、受験が目の前にあるわけですので、いやでもわかってきます。ですが、小学生は正直言って実感がありません。学級通信1枚で何か変わるわけでもないかもしれませんが、やはり伝えていきたいところです。個人的には、今回のコロナ禍が明けたとき、それはそれは無常ともいえるほどの学力差が開いていると思います。個人の努力だけでなく、経済格差によるものが大きいでしょう。
ウイルスも怖いけれども…という話も載せようと思います。
ウイルスの次にやってくるもの(https://www.youtube.com/watch?v=rbNuikVDrN4)
この動画がとてもわかりやすく、示唆に富んだ内容でした。子どもたちの中で、今後差別や偏見が助長されていくでしょう。そのワクチンとなるものは、せめて自分の手の届く範囲にいる子どもたちには、渡していきたいものです。コロナ禍から世界を復興させていくためには、協力こそ必要なのですから。
まとめ
いかがでしたか?先の見えない不安は、当然ながら私たちの中にもあります。情報交換をして、アイデアを共有して、乗り越えていきたいですね。
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