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【漫画に学ぶ教育技術シリーズ】ぶつかり合いながら生きていくのだ。果てない年月を共にね

はんめん
はんめん

今回は大高忍作「マギ」より、この言葉!

大高忍「マギ」より
目次

「マギ」ってどんな漫画?

うさ美
うさ美

そもそも、どんな漫画?

はんめん
はんめん

おもしろいですよ!ファンタジーものなのですが、経済や政治のことがやたらと出てきます。社会科教員としては、イチオシですね。国をつくること、王になること、戦争と怨恨、そして平和を実現するにはどうしたらいいのか…。様々な思想をもつ登場人物たちが、まさしく「ぶつかり合いながら」、ともに生きていこうとする漫画です。バトルも熱く、おススメの漫画ですね!

「みんな仲良く」は幻想である

小学校の、特に低学年では「みんなで仲良く」することが理想である、とする教員が結構います。体感です。喧嘩したあとにも仲直りしなきゃいけないとか、気の合わない人とも仲良くしなさいとか。はっきりいってそんなのはもう、幻想なのです。大人であれば「みんな仲良く」なんて不可能だとわかるのに、どうして子どもたちには強制するのでしょうか。

みんなで仲良くやっていくよりも現実的なのは「気の合わない人との距離の取り方」や「集団の中での立ち位置の確保の仕方」であると思います。これらは、集団の中で「ぶつかり合いながら」でなくては学ぶことができません。たとえば今、未曽有のコロナ禍によって多くの学校が休校中ですが、この期間には子どもたちは「気の合わない人との距離の取り方」や「集団の中での立ち位置の確保の仕方」を学ぶことができていないのです。たとえオンラインでの授業がなされていようとも、これを学ばせることはできません。こここそ、休校中の心配な部分でもあり、後々まで影響が出ると懸念している部分です。学校での集団の学びあいに価値があるところでもあります。

子どもたちは、集団の中で「ぶつかり合いながら」人間関係の作り方や維持の仕方を学んでいきます。しかしそのためには、学級の仕組みが整っていなくてはいけません。具体的には、

子どもたちが「ぶつかり合いながら」人間関係を学ぶための条件

①思っていることを伝えあえる雰囲気がある学級

②感情的にならずに意見を伝える技術

③トラブルが発生してからも解決に導ける教員の力量

このような条件が必要になるでしょう。

①については、学級経営の差がモロに出るところです。学級経営の方向が子どもたちとうまく絡んでいれば、子どもたちは「とりあえず思ったことを言ってみよう」という雰囲気になります。こうなると授業でも学級活動でも、なにをしても面白いです。

②については、主に学級会や授業の中で教えていく必要があるでしょう。感情をコントロールすることが、人間関係を良好に保つためにも大切なのだと実感させていきたいところです。

③については、数をこなすのが最も良いでしょう。様々な生徒指導の場面に、積極的にかかわるといいと思います。生徒指導が上手な先生は、かかわった子どもたちを納得させられます。そのような先生を探し、実際に指導しているところを見ると力がついてくると思います。

挑戦がなければ失敗もないが、成長もない

思うにこの国の大人たちは、子どもが「失敗しないように」とても気を遣っています。「ぶつからないように」「ケガしないように」「ケンカしないように」「つまづかないように」「落ちないように」などなど。よく言われますが、転ばないことが大切なのではなく、転んだときの対処法が大切なのです。じっとしているのか、立ち上がるのか、助けを求めるのか、状況によって対処法を変えるべきなのですが、この国ではそもそも「転ばない」ことが前提になっていることが多く、その対処法を身につけることなく成長してしまう子どもがたくさんいるのではないでしょうか。対処法を教えていくことが教育の目的である「自立」に近づく道であると思います。

人間関係の作り方や調整の仕方は、社会という人間の集団の中で生きていくためには必須ともいえるスキルです。しかもそのスキルは、集団生活の中でしか獲得することができません。それなのに、大人たちは挑戦させることなく、したがって失敗も味わわせることなく、無難に毎日を過ごさせようとします。

だからこそ、「ぶつかり合いながら生きていくのだ。果てない年月を共にね」という言葉は真理に近いものを感じさせます。意見や考えの合わない人とも、一緒に生活をしなくてはならないのです。その違いを認め、ぶつかり合いながらも、共に生きていく。そのための方法こそ、学校で学ばせていきたいことではないでしょうか。

まとめ

まとめ

・「マギ」は社会科の学びとしても(特に政治・経済)とってもいいよ!

・みんながみんな仲良しこよしにはなれない

・ぶつかり合いながら、共に生きていくことが大切

いかがでしたか?臨時休業が続く中で、学級経営もスタートしていないところがほとんどであると思います。学校が再開した暁には、ぜひとも子どもたちにたくさん挑戦をさせてほしいと思います。 

「魅力的な教員」になるためには?

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この記事を書いた人

子どもたちの成長を間近で見ることができる、教員の仕事ってとっても魅力的!でも労働環境が良くないのもまた事実。解決方法を模索しながら奔走する毎日を過ごしています。公立小中学校で勤務して11年目です。
教育大学卒。専門は社会科(政治学)。ネコ派。二児の父。

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